ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:波 > 雑誌詳細:波 2012年12月号

【奥田英朗『噂の女』刊行記念インタビュー】

波 2012年12月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2012/11/27

発売日 2012/11/27
JANコード 4910068231222
定価 105円(税込)

【奥田英朗『噂の女』刊行記念インタビュー】
奥田英朗/この町のどこか、夜ごと語られるは──

金原ひとみ『マリアージュ・マリアージュ』
栗田有起/諸行無常の手前で

福永武彦『福永武彦新生日記』
田口耕平/福永武彦、再出発の記録

田牧大和『盗人』
吉田伸子/がらりと作風を変えて挑む勝負作

【畠中 恵『けさくしゃ』刊行記念インタビュー】
畠中 恵/書くことを止められない物書きの性分

大崎善生『赦す人』
黒岩由起子/父も知らなかった父の生涯

[立川談志一周忌追善特集]
立川談志 ビートたけし 太田光『最後の大独演会』
高橋洋二/2年前の座談と甘く見るなかれ~この日を境に世界はどう変わったのか?

吉川 潮『談志歳時記―名月のような落語家がいた―』
【対談】吉川 潮×立川談笑/立川談志というをのこ

三國青葉『かおばな憑依帖』(第二十四回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作)
小日向えり/歴女の大好物に、萌え!

関 俊介『絶対服従者(ワーカー)』(第二十四回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作)
小谷真理/虫愛づる君たちへ

[朝井リョウ『何者』刊行記念特集]
榎本正樹/新世代の「希望」
【インタビュー】朝井リョウ/「誰にも知られたくない感情を書きました」

高山なおみ『今日もいち日、ぶじ日記』
佐藤寛子/彼女の時の時

ミレーナ・アグス『祖母の手帖』(新潮クレスト・ブックス)
平松洋子/石の痛み、愛の痛み

マーカス・デュ・ソートイ『数字の国のミステリー』
茂木健一郎/数学愛好家のクラブへようこそ!

ニコラス・ワプショット『ケインズかハイエクか―資本主義を動かした世紀の対決―』
松原隆一郎/「大きな政府」か「小さな政府」か

藤原章生『資本主義の「終わりの始まり」―ギリシャ、イタリアで起きていること―』(新潮選書)
内山 節/うんざりした時代の光明

高山文彦『大津波を生きる―巨大防潮堤と田老百年のいとなみ―』
稲泉 連/自然とともに生きてきた日本人の姿

佐伯泰英『○に十の字―新・古着屋総兵衛 第五巻―』(新潮文庫)
重里徹也/スケール大きな伝奇時代小説

『新潮45特別編集 原節子のすべて』(新潮ムック)
石井妙子/「原節子」と呼ばれた女の一生

伊奈久喜『外交プロに学ぶ 修羅場の交渉術』(新潮新書)
伊奈久喜/「サファイアの手法」の汎用性

コラム
とんぼの本をよむ
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】江 弘毅/有次と庖丁 第1回
鹿島田真希/少女のための秘密の聖書 第3回
斎藤明美/高峰秀子の言葉 第17回
吉田篤弘/ソラシド 第5回
桜木紫乃/モノトーン 第10回
梨木香歩/冬虫夏草 続・家守綺譚 第7回
三山 喬/トスキナの唄 流浪のキネマ屋・古海卓二伝 第10回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第33回
高橋秀実/とかなんとか言語学 第12回
津村節子/時のなごり 第15回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、奥田英朗さんです。最新刊『噂の女』は、「yom yom」と「小説新潮」で足掛け三年にわたって書き継いでいただいた長編小説です。内容に関しては本文のインタビューをお読みいただきたいのですが、表紙の写真はその奥田さんが執筆の合間にくつろぐ自宅のリビングルーム。都内のマンションの一室をご自身の好みに合わせて改装した、まさに遊び心満載の空間です。壁という壁の床から天井までぎっしりと本、レコード、CDが並ぶこの部屋で、ロック、ジャズなどの復刻された高音質版LPを聴くのが最近のお気に入りのリラックスタイムとのこと。奥田さんの小説の大きな魅力となっている独特のユーモアは新作でも冴え渡っていますが、ベランダの観葉植物を眺め、時にはギターやキーボードを奏でたりもしながら過すゆとりの時間から生れているようです。
◇窪美澄さんの『晴天の迷いクジラ』(小社刊)が、第三回山田風太郎賞を受賞しました。その窪さんと、新刊『何者』を刊行したばかりの朝井リョウさんという新鮮な組み合わせのトークショーが行われます。十二月十六日(日)16時~18時、東京・立川市のオリオン書房ノルテ店にて。新鋭にして早くも実力派の呼び声が高い窪さんと朝井さんですが、面と向かって話をされるのは初めてだとか。旬なお二人だけに、期待大の対談です。トークショーの後にはサイン会も予定されています。詳細は、電話042-522-1231(ノルテ店)までお問い合わせください。
◇新潮選書『江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち―』は今年七月に発売以来、着実に版を重ねていますが、著者の鳴海風さんのトークイベントが十二月十五日(土)19時半より、東京・豊島区のジュンク堂書店池袋本店の四階カフェで開催されます。入場料は千円(ドリンク付)。お問い合わせは電話03-5956-6111(池袋本店)までお願いいたします。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。