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今月の表紙は岡潔の日常の姿を写した写真と、色紙に書き残されていた言葉
[岡 潔、森田真生編『数学する人生』刊行記念インタビュー]

波 2016年3月号

(毎月27日発売)

100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/02/27

発売日 2016/02/27
JANコード 4910068230362
価格 100円(税込)

[百田尚樹『カエルの楽園』刊行記念インタビュー]

楡 周平『ラストフロンティア』
楡 周平/水清ければ日本版カジノ栄えず

押切もえ『永遠とは違う一日』
待田晋哉/レンズの向こうとこちら側

[金原ひとみ『軽薄』刊行記念特集]
【インタビュー】金原ひとみ/飽和状態を迎えた世界で
高樹のぶ子/暗い熱水の底

リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』
平松洋子/この不思議な祝祭感

白河三兎『田嶋春にはなりたくない』
吉田大助/「あの女は何を考えている?」の推理の先に

古野まほろ『新任巡査』
村上貴史/警察小説の新たなる里程標

ドナルド・キーン『石川啄木』
松浦寿輝/「非凡な人物」の肖像

[岡 潔、森田真生編『数学する人生』刊行記念インタビュー]
松原さおり(聞き手 森田真生)/父、岡潔の思い出

福田ますみ『モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―』内田 良/「いじめ自殺」の常識を問い直す

[四方田犬彦『母の母、その彼方に』刊行記念特集]
石田 千/王の帰還
【インタビュー】四方田犬彦/夢見るブルジョワ娘ができるまで

更科 功『宇宙からいかにヒトは生まれたか―偶然と必然の138億年史―』
椎名 誠/地球も人間も主人公じゃない宇宙と生命の本

笠井信輔『増補版 僕はしゃべるためにここ(被災地)へ来た』
笠井信輔/忘れないでほしい――五年後の願い

長谷川康夫『つかこうへい正伝 1968―1982』
樋口毅宏/つかこうへい、ふたたび

樋野興夫『がん哲学外来へようこそ』
樋野興夫/情報はいくら集めても終わりがない

[訳し下ろし短篇]エトガル・ケレット(秋元孝文訳)/『あの素晴らしき七年』より

コラム
井上ひさし『父と暮せば』
宮崎香蓮/新潮文庫で歩く日本の町

三橋曉の海外エンタ三つ巴


連載
新連載 ジェーン・スー/生きるとか死ぬとか父親とか
新連載 大澤真幸/山崎豊子の〈男〉
荒山 徹/歴史の極意・小説の奥儀 第12回
森 功/暗黒事件史 日本を変えた犯罪者たち 第2回
津村記久子/やりなおし世界文学 第22回
大竹 聡/酔いどれ紀行 最終回
石原千秋/漱石と日本の近代 最終回
森まゆみ/子規の音 最終回
堀本裕樹、穂村 弘/俳句と短歌の待ち合わせ 第31回
佐藤賢一/遺訓 第3回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第72回
木皿 泉/カゲロボ日記 第23回
津村節子/時のなごり 最終回

編集室だより  新潮社の新刊案内  編集長から  カット 水上多摩江

編集長から

今月の表紙は岡潔の日常の姿を写した写真と、色紙に書き残されていた言葉

◇何よりも、我々は心というものが不死であることを知って、これを向上させる、すなわち深めていくのが、人のするべきことだと学ばなければなりません――今月刊行された『数学する人生』の中に記されている一文です。天才数学者・岡潔の思考の粋を集めた同書にはこのような、混迷を深める現代の人間が指針とすべき叡智の言葉がちりばめられています。数学を媒介として、こころ、人生、生命、自然の真理を追究した岡潔。その情感豊かな文章は編者の森田真生氏が言うように「心の窓をパッと開かれるような喜び」をもたらし、読む者の精神を活性化してくれます。まさに今こそ読まれるべき本ではないでしょうか。今月の表紙は、その岡潔の日常の姿を写した写真と、色紙に書き残されていた言葉を、ご遺族の了解を得て使わせていただきました。ちなみに『数学する人生』に収録された夫人のミチさんの証言によると、岡潔の生活は朝型で、毎朝六時に起きてコーヒーを三杯飲み、床に入ったまま仕事をはじめるのが常だったそうです。
四方田犬彦さんの新刊『母の母、その彼方に』は、三人の女性を軸に描かれた四方田家の年代記です。執筆の過程で「多かれ少なかれ、女たちは秘密をもち、それは男の眼が届かない場所に、きわめて巧妙な形で仕舞いこまれている」ことに気付かされたという四方田さん。刊行記念のトークショーが三月三日(木)19時から東京・神楽坂の「la kagu」で行われますが、そのタイトルも「女たちは秘密をもつ」。対話のお相手は女性の本音や真実を描き続けるエッセイストの酒井順子さんです(入場料二千円)。お問い合わせは以下のサイトまで。
http://www.lakagu.com/event
◇今月で石原千秋氏『漱石と日本の近代』、大竹聡氏『酔いどれ紀行』、津村節子氏『時のなごり』、森まゆみ氏『子規の音』の四本の連載が終了します。ご愛読いただき有難うございました。『漱石と日本の近代』は新潮選書、他三作は単行本として小社より刊行の予定です。

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。