ホーム > ニュース > 小林秀雄と人生を読む夕べ【その8】文学を読むIV:「カラマアゾフの兄弟」 (第5回/全6回)

イベント終了しました

小林秀雄と人生を読む夕べ【その8】
文学を読むIV:「カラマアゾフの兄弟」

小林秀雄と人生を読む夕べ【その8】文学を読むIV:「カラマアゾフの兄弟」 (第5回/全6回)

 日本の近代批評の創始者・確立者として大きな足跡を残した小林秀雄は、深い思索と気風(きっぷ)のよい文章で、人生の教師としても仰がれ慕われました。その小林秀雄の主要な作品を順次取り上げ、小林秀雄とともに人生を読み味わっていく集いです。
 ご案内は、編集担当者として小林秀雄にじかに接していた新潮社の元編集者、池田雅延です。
 前半50分は各回の対象作品について池田氏がお話しします。後半40分は出席者全員での茶話会とし、池田氏が質問にお答えしたりしながら小林秀雄をより身近に感じるひとときを過ごします。

 講座「小林秀雄と人生を読む夕べ」、4月から始まったシリーズは<文学を読むIV>です。小林氏の批評活動は、文学に始まって音楽、絵画、骨董、歴史、哲学、学問……と多岐にわたりましたが、根幹には常に文学がありました。小林氏にあって「文学」とは、私たち人間にとって生きるとは何か、どういうことか、そこをどこまでも考えぬこうとする世界であり、音楽も絵画も歴史も哲学も、同様にすべてこの一点に発してこの一点に還ってくるからです。今回はその「文学」のなかでも、とりわけ広く知られて親しまれた作品・作者を読んでいきます。

 8月9日開催の第5回は「カラマアゾフの兄弟」を取り上げます。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」は「悪霊」と同じく彼の後期五大長篇小説の一篇で、「悪霊」の後に「未成年」を挟んで書かれました。
 物欲と淫蕩の権化というべき父をもつ3人の兄弟、すなわち野性的な情熱家の長男ドミトリー、虚無的な知識人である次男イヴァン、純真無垢な三男アリョーシャ、それに父が外で産ませて下男として使うスメルジャコフ。彼らを中心に父と子、兄と弟の葛藤が錯綜するなかで父親が何者かに殺されてしまいます。いったい誰が、なぜ――。
 併せて、僧院で愛の教えを説き、アリョーシャに慕われるゾシマ長老と、無神論者イヴァンとの間に展開される「神の創った世界」をめぐる論争もよく知られています。
 7月の「『悪霊』について」に続き、この作品でドストエフスキーが訴えようとしたことは何か、そしてこの作品のどこが小林氏を夢中にさせたのか、そこを読んでいきます。

開催日時 2018年8月9日(木) 18:50〜20:30(受付開始18:30)
会場 la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko  東京都新宿区矢来町67
(東京メトロ東西線神楽坂駅矢来口出てすぐ)
問い合わせ先 新潮社ラカグ室
fax:03-3266-7185 E-mail:sokoinfo@shinchosha.co.jp
URL 詳細はこちらをご覧ください。
備考 〈チケット〉
■5,800円/全2回通しチケット(茶菓つき)
■3,000円/第5回チケット(茶菓つき)
■2,800円/第5回神楽坂ブッククラブ会員限定(茶菓つき)

☆8月(第2木曜日)を除き、いずれも第3木曜日、時間は午後6時50分~8時30分を予定していますが、やむを得ぬ事情で変更する可能性があることをご了承ください。
※購入されたチケットは理由の如何を問わず、取替・変更・キャンセルはできません。ご了承ください。
※開場は開演の20分前です。

著者紹介

小林秀雄コバヤシ・ヒデオ

(1902-1983)東京生れ。東京帝大仏文科卒。1929(昭和4)年、「様々なる意匠」が「改造」誌の懸賞評論二席入選。以後、「アシルと亀の子」はじめ、独創的な批評活動に入り、『私小説論』『ドストエフスキイの生活』等を刊行。戦中は「無常という事」以下、古典に関する随想を手がけ、終戦の翌年「モオツァルト」を発表。1967年、文化勲章受章。連載11年に及ぶ晩年の大作『本居宣長』(1977年刊)で日本文学大賞受賞。2002(平成14)年から2005年にかけて、新字体新かなづかい、脚注付きの全集『小林秀雄全作品』(全28集、別巻4 )が刊行された。

池田雅延イケダ・マサノブ

昭和45年、新潮社に入り、「本居宣長」をはじめとする書籍の編集を通じて小林秀雄の肉声を聞き続けた。小林亡き後も第5次、第6次「小林秀雄全集」を編集、第6次全集では本文を新字体・新かなづかいで組み、全作品に脚注を施すなどの新機軸を打ち出した。