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小林秀雄と人生を読む夕べ【その5】歴史と文学:「事変の新しさ」(第2回/全6回)

小林秀雄の主要な作品を順次取り上げ、小林秀雄とともに人生を味わっていく集いです。連続講座ですが、毎回1編ずつとりあげますので、1回だけのご参加も大歓迎です。

小林秀雄と人生を読む夕べ【その5】歴史と文学:「事変の新しさ」(第2回/全6回)

 日本の近代批評の創始者・確立者として大きな足跡を残した小林秀雄は、深い思索と歯切れのよい文章で“人生の教師”としても仰がれ慕われました。その小林秀雄の主要な作品を順次取り上げ、小林秀雄とともに人生を味わっていく集いです。

 ご案内は、編集担当者として小林秀雄にじかに接していた新潮社の元編集者、池田雅延です。前半50分は各回の対象作品について池田がお話しします。後半40分は出席者全員での茶話会とし、毎回la kaguカフェがご用意するお茶とお菓子をお楽しみいただきます。池田が質問にお答えしたりしながら、座談の名手でもあった小林秀雄をより身近に感じるひとときを過ごします。


 10月から始まったシリーズ【その5】「歴史と文学」、2回目となる今回は、「事変の新しさ」をとりあげます。

 この作品は、昭和15年(1940)8月に発表された、小林秀雄38歳の講演録です(新潮社刊「小林秀雄全作品」第13集所収)。

 3年前、すなわち昭和12年7月から、日中戦争が続いていました。この戦争によって、日本国民は前例のない事態に直面していましたが、その新しさの程度や性質を考えると、ここには歴史の逆説がひそんでいると小林秀雄は言い、豊臣秀吉を例にとって警告します。

 秀吉は最後、朝鮮出兵に失敗しました。しかしそれは、経験と知識の不足からではない、豊富な経験から割り出した正確な知識によってである、彼は、それまでの国内での戦争に臨んだと同じように朝鮮出兵という新しい戦争にも臨んで早く安心したかった、そこに落し穴があった……。血が騒ぎ心が躍る、歴史のドラマが語られます。

 歴史といかに付き合うべきか。小林秀雄を通して、歴史を見る眼、歴史との付き合い方の素養を培いましょう。ぜひお集まりください。

開催日時 2016年11月17日(木) 18:50〜20:30(受付開始18:20)
会場 la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko  東京都新宿区矢来町67
(東京メトロ東西線神楽坂駅矢来口出てすぐ)
問い合わせ先 新潮社ラカグ室
fax:03-3266-7185 E-mail:sokoinfo@shinchosha.co.jp
URL 詳細はこちらをご覧ください。
備考 全5回通しチケット(茶菓付き):13,000円
11/17 第2回(茶菓付き):3,000円

著者紹介

小林秀雄コバヤシ・ヒデオ

(1902-1983)東京生れ。東京帝大仏文科卒。1929(昭和4)年、「様々なる意匠」が「改造」誌の懸賞評論二席入選。以後、「アシルと亀の子」はじめ、独創的な批評活動に入り、『私小説論』『ドストエフスキイの生活』等を刊行。戦中は「無常という事」以下、古典に関する随想を手がけ、終戦の翌年「モオツァルト」を発表。1967年、文化勲章受章。連載11年に及ぶ晩年の大作『本居宣長』(1977年刊)で日本文学大賞受賞。2002(平成14)年から2005年にかけて、新字体新かなづかい、脚注付きの全集『小林秀雄全作品』(全28集、別巻4 )が刊行された。

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