お知らせ

手塚治虫のエロティカ《初公開 永久保存グラビア》

[漫画家デビュー70周年企画]
未発表画稿二十数点を初公開 その作家性を「エロティシズム」という切り口で検証

 2年前、「手塚治虫の描いた大量のエロティックなイラストが発見された」というニュースが流れたことをご記憶の方も多いことでしょう。
 新潮社の文芸誌「新潮」は、11月7日発売の12月号の特集「手塚治虫のエロティカ」で、この手塚治虫の未発表画稿の中から厳選した25点を巻頭グラビア16ページにて一挙公開します(加えて、本文ページにも4点)。「新潮」でのカラーグラビア特集は、周年の記念号などでは何度か登場しましたが、これほどの分量で、しかも漫画家の作品を紹介するのは異例のことです。

 これらのイラストは、2014年3月、手塚治虫の新座の仕事場で、死後一度も開けられていなかったロッカーの中から発見されたものです。その数、およそ200点。
 多くは女性の肉体や、女性が動物に、あるいは子供に変化していく過程を描いたりしたもので、「メタモルフォーゼ」(変身・変容)への強い関心と、独特のエロティシズム感覚がうかがわれます。一方、男性器や性行為シーンなどは全く登場しません。ほとんどが原稿用紙の裏などの薄い紙に描かれ、大きさもまちまち。無造作に折りたたまれたり、破れをテープで補修したりしたものもありました。大半は恐らく1960年~70年代に描かれた「習作」で、発表する意図はなかったものと思われます。

 今年は手塚治虫のデビュー70周年。「新潮」編集部は、手塚関連本の編集を多く手掛ける濱田高志氏と共に、手塚の未発表画稿に光を当てその作家性を「エロティシズム」という切り口で検証したい、と考えました。この企画意図に手塚プロダクションのご理解とご協力を得られることとなり、今回の特集が実現しました。
 特集はグラビアだけでなく、中条省平氏による解説「メタモルフォーゼの魅惑」、濱田高志氏による解題「習作に見る描線へのこだわりと表現力」、そして親交のあった作家・筒井康隆氏による「手塚治虫のエロス」、長女で手塚プロダクション取締役・手塚るみ子氏のエッセイ「密かな父の享楽に触れ……」なども加えて、手塚の作品世界をより多角的に知ることができるようになっています。他では見ることのできない、ファン必携の永久保存版となることでしょう。 

関連リンク

雑誌紹介