お知らせ

新潮選書は50年前の5月に生まれました。フェア開催中!

 新潮選書が創刊50年です。新書と学術書の間――つまり、たっぷりとした内容と柔らかい語り口、そんな二兎を追って二兎とも得ようという叢書です。この半世紀に例えば『漱石とその時代』『文明が衰亡するとき』『謎とき「罪と罰」』や『未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―』『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―』などを刊行してきました。他にもご記憶の書名があると思います。
 5月には佐伯啓思経済成長主義への訣別』、苅部直「維新革命」への道―「文明」を求めた十九世紀日本―』、野口悠紀雄世界史を創ったビジネスモデル』、西成活裕逆説の法則』、石原千秋漱石と日本の近代(上)』・『漱石と日本の近代(下)』、大澤真幸山崎豊子と〈男〉たち』、川本三郎「男はつらいよ」を旅する』と一挙7点を刊行。トーク・イベントも開催中で、野口さんの講演では聴衆との間で熱い質疑応答が交わされ、6月29日には大澤真幸さんと平尾隆弘さん(ジュンク堂書店池袋本店)、さらに川本三郎さんと“帝釈天の源公”こと佐藤蛾次郎さん(三省堂書店神保町本店)の対談を予定しています。
 硬派なものが多い新潮選書ですが、立川志らく師の『全身落語家読本』など芸能畑のロングセラーもあって、川本さんの『成瀬巳喜男 映画の面影』もそのひとつ。そして最新刊『「男はつらいよ」を旅する』は逸早く増刷しました。

波 2017年7月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

川本三郎カワモト・サブロウ

1944年東京生まれ。文学、映画、漫画、東京、旅などを中心とした評論やエッセイなど幅広い執筆活動で知られる。著書に『大正幻影』(サントリー学芸賞)、『荷風と東京』(読売文学賞)、『林芙美子の昭和』(毎日出版文化賞・桑原武夫学芸賞)、『白秋望遠』(伊藤整文学賞)、『マイ・バック・ページ』『いまも、君を想う』『成瀬巳喜男 映画の面影』『老いの荷風』など多数。訳書にカポーティ『夜の樹』などがある。

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