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切なすぎて異例の大重版! 大人に刺さる新しく懐かしい物語

 燃え殻って、一体何者? この秋、ちょっと不思議な名前の作家のデビュー小説が話題となっています。新人としては異例の増刷を重ね、発売1ヶ月で4刷という快挙。糸井重里さんや堀江貴文さんなどが絶賛し「2017年、大人の課題図書」なんていう声も聞こえています。
 実は燃え殻さん、フォロワーが10万人を超えるツイッター界の有名人。140文字でつぶやかれる日常のシーンの数々は、切なくて、ちょっと笑えて、諦めの地平にかかる虹のように人を惹きつけます。本作はそんな“後ろ向きに前向き”な魅力はそのままに、初めて140文字を超えて綴られた青春私小説。ある朝、43歳のボクはフェイスブックでかつての恋人に再会し、彼女と過ごした90年代へと不意に押し戻されます。ノストラダムスの予言通り地球なんて滅亡してしまえと思いながら、「キミは大丈夫だよ、おもしろいもん」というまったく根拠のない彼女の言葉だけで生き延びていた時代。
 本号(波 2017年9月号)の対談で、大槻ケンヂさんが「個人的な記憶を呼び覚ましてしまう装置」と表現したこのデロリアンのような物語に乗って、あなたも一晩だけ帰ってみませんか? いまも胸を刺すような、痛くて、みっともなく輝いていた、「あの頃」の自分に。

波 2017年9月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

燃え殻モエガラ

1973(昭和48)年神奈川県横浜市生れ。2017(平成29)年、『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー。同作はNetflixで映画化、またエッセイ集『すべて忘れてしまうから』はDisney+とテレビ東京でドラマ化され、ほかにも映像化、舞台化が相次ぐ。著書に、小説『これはただの夏』『湯布院奇行』、エッセイ集『それでも日々はつづくから』『ブルー ハワイ』『断片的回顧録』『夢に迷ってタクシーを呼んだ』などがある。

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