SPECIAL
「バリ3探偵 圏内ちゃん」シリーズ
七尾与史/著
けーしん/イラスト
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物語
ひきこもり探偵、圏内ちゃん、降臨!生身の人間と会話するのが苦手。でもネットがなくて誰とも繋がれなくなる孤独はもっと苦しい。電波がバリ3表示の場所でだけ生きてゆける、ひきこもりの緑子。しかしひとたびオンライン掲示板を開けば、ハンドルネーム「圏内ちゃん」はカリスマ的存在だ。驚くべき情報収集力と推理力で、"炎上"した匿名アカウントの本人を特定する。ある日、連続女性殺人事件に巻き込まれて......。
電波さえあれば真相はつきとめられる!"妻が自分の夢を応援してくれません。"小説家志望男による身勝手な投稿が悩める忌女(=既婚女性)たちの掲示板「忌女板小町」で大炎上。さらに、ある殺人事件との関連が疑われる。引きこもりの緑子、HN圏内ちゃんが挑んだネットとリアルが交錯する連続殺人――その謎は、超肉食女子刑事・小鞠&ドS刑事・黒井マヤとの推理対決の果てに、人知れず葬られていた悲劇につながった。
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登場人物
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見内緑子(圏内ちゃん)Midoriko Kennai
生身の人間が苦手なのに、受信圏外で誰とも繋がれなくなることを何よりも恐れるひきこもり女子。ネットに依存しFXで生活費を稼ぎ出すかたわら、オンライン掲示板の炎上事件では比類なき推理力を発揮して真実を暴く活躍で、カリスマ圏内ちゃんとして崇められている。ペットはロングコートチワワのまいちゃん。好きな食べ物は朔ちゃんの作るカレー。
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見内朔太郎Sakutaro Kennai
勤務していた歯科医院で、患者として訪れた緑子と出会った。その後ある医療トラブルがトラウマとなって歯科医を辞めてしまい絶望していた折、緑子に逆プロポーズされて結婚。ペーパーデンティストの現在は緑子の稼ぎで生活するかわりに、コミュニケーション障害がはなはだしい妻のために、身の回りのことを世話している。
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汐見坂涼太Ryota Shiomizaka
警視庁捜査一課殺人犯捜査第五係所属の巡査部長。ネットのカリスマ圏内ちゃんのファンだったが、ある殺人事件をきっかけに緑子と接触し、捜査協力を求めるようになる。上司の瀧口いわく「イケメン」だが今のところ結婚願望はなく、独身。
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小鞠咲耶Sakuya Komari
第五係に汐見坂の後輩として配属された女性巡査。気が強く物怖じしない性格で、恋愛に関しては超のつく肉食女子。常に国籍を問わず複数の男性とデートや合コンを楽しみ、不倫は文化と言い切る。長身だがセクシーなダイナマイトボディ。
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黒井マヤMaya Kuroi
殺人犯捜査第三係に所属する名物女刑事。通称ドS刑事(デカ)。父親は警察庁の大物幹部で正真正銘のお嬢様だが、捜査となると並外れた洞察力を発揮するクールな美少女。小鞠にライバル視されているものの、本人はいたって涼しい顔である。
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著者紹介
七尾与史Nanao Yoshi1969(昭和44)年、静岡県浜松市生れ。2009(平成21)年『このミステリーがすごい!』大賞に応募した「死亡フラグが立ちました!」が最終選考に残る。受賞には至らなかったが内容が評価され、2010年同作で作家デビュー。現在も歯科医として歯科医院を経営する傍ら、執筆活動を続けている。ほかに「ドS刑事」シリーズ、「山手線探偵」シリーズなど著書多数。