女による女のためのR-18文学賞

新潮社

第17回受賞作品
受賞の言葉

王冠ロゴ 友近賞受賞

山本渚

「アップル・デイズ」

山本渚(やまもと・なぎさ)

1979年徳島県生まれ。『吉野北高校図書委員会』で、2008年第3回ダ・ヴィンチ文学賞編集長特別賞を受賞。

受賞の言葉

読休中の方たちへ

「子供が生まれてから、本を読めなくなったわ。長いのとか、重いのは特に……」
 ママ友が淋しそうな表情でぽつんともらしたこの言葉に、書き手としてはNOと言わなければいけなかったのだと思う。でも、読み手としての私が「わかる!」と思いっきり頷いてしまっていた。
 誰でも、心や体が忙しすぎるとき、読みたくても読めなくなることがあるのだと感じた。そして書き手として、彼女のような人にそっと寄り添う話を書いてみたい、と強く思った。
 そのとき、この賞のことを思い出した。
「女性のために、女性に寄り添った話を!」そう思って書いた『アップル・デイズ』をWeb投票という形で沢山の方に読んでいただけたこと。友近さんが選んでくださって、さらに遠くまで届けられる可能性がうまれたこと……。
 どれだけ感謝しても足りません。嬉しすぎる! 本当にありがとうございます。今の気持ちのまま、また頑張っていきたいと思います。