新潮選書 |
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西洋医がすすめる漢方
現役の外科医が書きました。
著者は現在も手術を手掛ける現役の外科医です。本職は末梢血管外科。元々は、英オックスフォード大学で移植免疫学の博士号を取得した「サイエンス至上主義者」でした。そんな西洋医が、なぜ漢方なのでしょうか?
実は、著者は日本で初めて保険診療によるセカンドオピニオン外来を始めた「セカンドオピニオンのパイオニア」でもあります。セカンドオピニオン外来を手掛けている時に、病気は治っているのに不調を訴える患者たちの声を多く聞き、原因の究明ではなく症状の緩和を図る漢方を、おそるおそる試してみた。すると、臨床の現場では、結構効く。それで、漢方に「はまった」そうです。
著者の基本的なスタンスは、まず西洋医学で治せるものは治す。それでもダメなら漢方を試してみよう、というものです。西洋医学の考え方は「原因を究明し、その原因にピンポイントで手術ないしは投薬」というものなので、「病気は治ったのに身体は不調になる」例がどうしても出てきてしまう。それに対し漢方は、身体全体を診て、「生薬の調合とバランスによって身体全体を中庸にもっていく」という思想に則っているので、複数の病気を同時に治したり、病気以前の「未病」の状態でも体調を改善したりすることが出来ます。つまり、「西洋医学とは全く異なる発想だから有効」なのです。
本書の記述は、自身や家族への漢方投与、豊富な臨床経験に裏打ちされており、説得力があります。身体の不調を感じたら、市販薬を飲む前に本書をどうぞ。
2010/08



