お名前は一太郎とおっしゃいますが、近頃は若だんなとお呼びしています。廻船問屋兼薬種問屋、長崎屋の一人息子でいらっしゃいます。「しゃばけ」で物語デビュー(?)したときには、御歳17歳。でも数えなので、現代の年齢で言えば15歳、まだまだ少年でございます。若だんなは、心優しく、大変利発。しかし、元気でいるより死にかけている時間の方が長いくらいの病身なので、旦那様や奥様、二人の手代さんは、なにより若だんなの健康を気にかけていらっしゃいます。口の悪い近所の呉服屋の主人は「長崎屋が一太郎を甘やかすこと、大福餅の上に砂糖をてんこ盛りにして、その上から黒蜜をかけたみたいだ」なんて言うほどです……。




長崎屋の手代さんです。若だんなが5歳の頃、10歳の少年の姿で長崎屋にご奉公にあがりましたが、実は仁吉とともにお稲荷様より使わされた犬神という妖(あやかし)です。6尺近い偉丈夫で顔はごつく、片手で人を持ち上げられるほど、強い力を持っています。人の形をしていても妖の本性がつい出てしまうと、黒目がネコのように縦に細長くなるので、ちょっと恐ろしいときもありますが、普段は仁吉さんとともに常に若だんなをお守りしていて、朝ご飯の給仕は(私たち女中を差し置いて)佐助さんがお世話します。手代としては皆から慕われるガキ大将のような気質で水夫たちを仕切って、廻船問屋での仕事をこなしています。




白沢(はくたく)という妖である仁吉は、切れ長の目と整った顔立ちが江戸の娘たちに人気の手代さんです。その美しさは呉服屋の店先にでも置いておいたら、反物の売り上げもさぞ上がるだろうというほど。佐助さんと同様、とにかく一太郎ぼっちゃんが第一で、二から先はないと思っているのでしょう。昼の給仕は(私たち女中を差し置いて)仁吉さんがお世話します。普段は豊富な薬の知識で番頭とともに薬種問屋で働いており、若だんなが咳の一つもしようものなら、すぐに薬種の調合を始めます。




身の丈数寸の恐ろしい顔をした小鬼たちです。多数で集まって、家内できしむような音を立てるのが特徴。若だんなと甘いお菓子が大好きなようです。家づたいに自由に動けるので、若だんなの依頼により事件の調査などを手がけることもありますが、あまり有益な情報はもたらしたことがありません。動物の毛皮と思われる腰巻きをしているのですが、なんの毛皮かは不明です。嬉しくても驚いても悲しくても「きゅわきゅわ」と叫びます。




若だんなの暮らす離れに置かれた古い屏風が化した付喪神(つくもがみ)さん。屏風に描かれた絵そのままに、市松模様の派手な石畳紋の着物をぞろりと着こなしています。長崎屋に住む妖の中では、唯一、若だんなに憎まれ口をきく皮肉屋ですが、部屋から出られない若だんなのよき遊び相手で、碁仲間でもあります。




若だんなのお父上で、長崎屋のご主人でいらっしゃいます。50を超えたとは思えない力強さを感じさせる方で、5尺5寸ほどの上背がございます。長崎屋の手代でしたが、若だんなのお母上である家娘のおたえ様に惚れられて、長崎屋の婿に入られました。




若だんなの母上。四十路に近いとは思えない、儚(はかな)げな美人です。若い時分には江戸一番の弁天様とか雪でできた花のようと褒め称えられ、身分の高いお武家様や江戸でも名の知れた大店の若主人などから、ぜひ嫁にというお話が降るようにあったそうです。若だんなのお兄様にあたられる男の子を生後数日で亡くされたことから、誰より若だんなの病弱ぶりを心配しておいでのお優しい奥様です。




若だんなの腹違いの兄。若だんなのお父上である藤兵衛様が他の女に産ませた子供ですが、奥様の心情を慮って、ある時まで長崎屋では「なかったこと」とされておりました。若だんな同様、非常に優しく誠実で好青年です。




若だんなのおじい様。西国の武士でしたが、おぎん様と出会い、すべてを捨てて江戸へ駆け落ちし、長崎屋を構えたそうです。




若だんなのおばあ様ですが、齢三千年の、皮衣という名の大妖です。若だんなが産まれる前に、人の世を去り、今は荼枳尼天様に仕えていらっしゃるそうです。若だんなも会ったことがありません。




若だんなの乳母やです。台所で五人の女中を仕切るたくましい(もとい怖い)方ですが、藤兵衛様たち同様、若だんなにはごく甘い。いまだに若だんなのことを「ぼっちゃん」と呼ぶ唯一の方です。




50歳近い水夫さんです。




薬種問屋を切り盛りする番頭さんです。


背が低く、すり切れた僧衣をまとった貧乏くさい坊主のかっこうをした妖です。若だんなの手足となって事件にまつわる情報収集に勤しんでいます。褒美に若だんながお買い求めになった栄吉さんの饅頭などをもらって帰ることもあるようです。




錦のあでやかな振り袖を着た小姓姿の美童に化けた妖。若だんなの私設調査員の一人です。野寺坊と一緒に行動していることが多いのですが、二人の見た目が対照的なので、端で見ておりますと、なんとも釣り合わない組み合わせです。




湯島聖堂近くのお稲荷様に仕えている、鈴の付喪神。『しゃばけ』の冒頭で、兄やたちに内緒で出かけた若だんなと一緒に夜盗に遭遇しました。若だんなの私設調査員の一人でもあります。しっかり者ですが、湯治について行こうと、荷物の中にこっそり自分の本体である鈴を隠したりするお茶目な一面も持っています。




長崎屋の妖のなかでは一番威張っている二人の兄やたちよりも上位に位置する、偉い妖です。若だんなのおばあ様であるおぎん様とは昔からの知り合いでいらっしゃるそうです。仁吉さんや佐助さんがとにかく目の前の若だんなを甘やかすのとは別の次元で、若だんなのことを非常に心配し、つねに見守っていてくださいます。




白髪頭の老婆のような姿ですが、老人とは思えない肌艶! いいなぁ。




人はもちろんのこと妖にも受け入れられない、孤独な妖。外見は、薄青い着物を着た14、5歳の若者です。天狗からもらったとびきりの薬を持っているといって、若だんなをはじめ、日限の親分など、長崎屋を訪れる人たちを翻弄しました。




人型に化ける猫。若だんなが馴染みの猫又はおしろと呼ばれています。……色っぽいです。




提灯ほどの大きさの白い光の玉。羽と足をもち、自在に飛ぶことができます。




焼け死んだ人の魂を食べて強くなるそうです。火事が大好き。




障子に現れて、ゆらゆら動く影です。




おぎん様に同行した狐ですが、逆恨みをして、若だんなの命を狙った奴です!




神なる存在。おぎん様がお仕えしている方です。




若だんなが湯治に出掛けられたときに、付喪神と成った古い印籠の蒔絵の獅子です。




箱根の山神様の御子様です。何千年も生きていますが、童姿。天狗たちがずっと守りをしていたそうです。




桜の花びらの妖です。生きる時間が半月あまりという切ない運命を背負っています。




おたえ様のお母様である大妖おぎん様が、おたえ様に付け守らせている眷属です。今でもおたえ様を守っていらっしゃいます。




信濃山の山神に仕える大天狗。大胆にも若だんなをさらい、若だんなの祖母である皮衣様に自分の要求をのませようとした、なんとも豪快な御仁です。




以前犬神に助けられたとして、佐助への恩返しのため長崎屋にやってきた妖。でも、大きな図体のわりには、鳴家に遊ばれるばかりで、あんまり役にたたない奴なのです。




目の病に霊験あらたかな、生目八幡宮の主神。若だんなの失明の原因を作ってしまうちょっと困った神様です。人間に対してあんまり優しくないのは、過去に体験したある悲しい出来事が理由なのだとか。




和算指南の浪人、六右衞門の正体は、かなりの術を使いこなす古狸。以前、広徳寺の秋英さんと和算対決をしたのをきっかけに、広徳寺なじみの妖になったそうです。




亡くなった後も母親のいるこの世を離れたくない女の子が乗り移った小さなお人形さんです。「河童を食べると悪鬼になって長生きできる」と信じて、仁吉に助けを求めます。




鈴彦姫のピンチを颯爽と救った、長身でめっぽう強いおなご。佐助さんとも対等に渡り合える、素敵にかっこいいお方です。記憶を失っていましたが、どうやらその正体はある妖のようです。


薬種問屋の北隣にある菓子屋・三春屋の跡取り息子です。若だんなよりひとつ年上ですが、ぼっちゃんにとってはかけがえのない親友なのでしょう。50過ぎの父親の跡を継ぐべく菓子作りの修業中ですが、さっぱりうまくなりません。とくにあんこを作るのが苦手で、栄吉さんの作る饅頭は「美味しくない」を通り越して限りなく「まずい」に近いような気がします。栄吉さんを思いやる若だんなはともかく、私たちは栄吉さんのお饅頭は買う気になりません……。三つ違いの妹、お春ちゃんは若だんなにほのかな恋心を抱いているようです。




離れの寝床で退屈をもてあます若だんなに江戸で起こっている様々な事件を語ってくれる岡っ引きです。名は清七とおっしゃいますが、通町界隈を縄張りにしており、日限地蔵の近くに住んでいることから、「日限の親分」と呼ばれています。縫い物で家計を助けていた妻のおさきさんが寝付いてしまってから、日本橋界隈の大店が差し上げる袖の下が大きな収入源となっているらしく、長崎屋にもちょくちょくお顔をお出しになります。




清七親分の下っぴきです。




なぜだか鳴家が見える5歳の女の子。江戸広小路で迷子になっていたところを若だんなに助けられました。深川にある大きな材木問屋、中屋の娘です。




於りんの叔父である正三郎の許嫁。両親を早くに亡くして、祖父母が営む紅白粉問屋、一色屋に引き取られました。素顔が想像できないほどの厚化粧を施しており奇異な印象を受けますが、とても真っ当な心根の優しい女性です。




若だんなの掛かり付けの医師です。腕は確かですが、謝礼が高くて有名です。




若かりし日のおたえ様の、縁談のお相手です。実は、おたえ様はこの方に恋をしていたのです。




妖封じで有名な、広徳寺の僧です。




寛朝様のたった一人のお弟子さんです。ご本人は気付いておりませんでしたが、妖を見るお力がございます。




おたえ様の幼なじみで、お店(たな)の娘さんです。美しいおたえ様を羨んでいたようですよ。




松之助さんの縁談のお相手です。米屋玉乃屋のお嬢様ですが、若だんなと同様、たいそう病弱なお方です。




おくらさんの妹さんです。松之助さんが縁談を知る前に神社で出会い、心惹かれたお相手です。




海苔問屋の大むら屋さんから長崎屋に移ってきた下男です。がりがりに痩せ、あばらが浮き、顔も骸骨に皮を張り付けたようで、どんなに食べさせても全然太りません。うらやましいです。




若だんなが冥界で出会った、負けず嫌いで気の強いやんちゃな坊です。




冬吉の兄さんです。商売のため、近江からお江戸にやってきました。若だんなと同じ年頃、同じ店の跡取り息子、ということで友になります。




若だんなが12のときに出会った初恋の(?)相手。目の悪いおっかさんのために、無謀にも七宝を集めようとがんばる、けなげな女の子です。




妖が見えてしまうことで疎んじられ、見世物小屋に売られてしまった気の毒な少年です。仁吉のおかげで広徳寺にお世話になることに。




「鹿島の事触れ」と呼ばれる、吉凶を告げる者たちの一人です。彼が迷子を見つけたという評判を聞いた若だんなは、行方不明になってしまった屏風のぞき探しを手伝ってもらおうと頼るのですが。




七之助さんの許嫁である“千里”さん五人のうちの一人として、上方からやってきたおなごです。実はかなめが江戸にやってきたのは、深い理由がありました。
火事で焼けてしまった旧長崎屋と新しく完成した長崎屋を大公開! 謎につつまれていた2階の様子も見れます。
パソコンやケータイ、iPhone/iPad用の壁紙や幻の傑作イラストをプリントして塗り絵としてもを楽しめます。
畠中恵さんの対談やインタビューなどを読むことができます。しゃばけシリーズの立ち読みや書評もご覧頂けます。
しゃばけシリーズの刊行情報やイベント情報、オリジナルグッズ、そして公式サイトの特典情報などをお知らせするメールマガジンです。

しゃばけメールマガジンを購読する
新潮社で刊行される畠中恵さんの新刊情報をいち早くお知らせします。

新刊お知らせメールに登録する
鳴家たちがみなさまのお声を承ります。ご意見・ご感想をお待ちしております。

メッセージを送る