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(文藝春秋)

(おこぐの宿敵)長崎屋のニュー丁稚・博吉に突撃インタビュー! Part.1

こんにちは。


おこぐです。


今日は、チーム長崎屋に新しく丁稚として奉公しはじめた博吉にインタビューしてみたいと思います。

――博吉さん、まず自己紹介からお願いします。


博吉:バーチャル長崎屋をご覧の皆さん、こんにちは。4月から長崎屋に奉公にあがっております博吉です。11月に発売予定の文庫本『ねこのばば』が初仕事になります。


――長崎屋に奉公にあがる前はどんな仕事を?


博吉:『フォーサイト』という雑誌の編集部にいました。


――ふーん。『フォーサイト』ってどんな雑誌だっけ?


博吉:え? 知らないの? 自社の雑誌でしょっ!


――知らないなぁ。どんな雑誌だったっけ?


博吉:ふぅ。おこぐは本当に無知だなっ。政治とか経済とか国際情勢とかの話を編集したり取材して書いたりしてたんだよ!


――ふーん。ずいぶん偉そうに言うけど、ホントに役に立ってたの?


博吉:当たり前だ!


――まぁ、いいや。じゃ、みなさんに文庫の編集ってどんなことしてるか説明して下さいな。


博吉:これがねぇ……文庫の仕事って説明が難しくて……。


――あ、国際情勢とかの知識はあっても自分のやってる仕事が説明できないの? 知識なんかあっても役には立たないもんだわね。


博吉:ばかっ。いまわかりやすい説明を考えてるんだよ。物事っていうのはだなぁ、おこぐみたいに行き当たりばったりにやってもダメなの。だいたい、おこぐはプレゼントの扇子を作るときだって……(お説教が延々続く)。


――で、博吉の仕事はなんなわけ?


博吉:あ、そうそう。まず書籍の基本からご説明いたしますと、新潮社の出版している文芸書はまずおこぐの作っている、タテ19センチ×ヨコ13センチほどの“単行本”が出版されることが普通です。で、それが2年半から3年くらい経つと、僕の作っている“文庫本”になります。文庫本というのはタテ15センチ×ヨコ11センチ弱のカバーの柔らかい本で、基本的には、おこぐたちがつくった単行本を、“値段が安くて手に入れやすい”形にして刊行し直すものなんです。文庫は単行本よりも単価が安いので、読者に買ってもらいやすいから、単行本よりたくさんの部数を刷ります。新潮社では、毎月20点ぐらい出しています。だからおおむね“大きな本を小さくする”仕事だと思ってもらえればいいんですけど、他社で出ている単行本を新潮社文庫に入れさせていただくために著者にお願いしたり、これまで出してきた既刊本の売れ行きを後押しする“フェア”のやり方を営業部などと考えたりといった、いわゆる“編集”のイメージとはちょっと違った仕事が多い部署なんです。


――博吉の説明はわかりやすいけど、長いねぇ。


博吉:おこぐがはしょりすぎなんだよ!


――そうかしら。おこぐの説明は短くてわかりやすいと思うけどな。次は、文庫編集部に異動してきて、長崎屋に奉公にあがることになった経緯を教えてください。


博吉:ちかごろはすっかり真面目な勤め人に生まれ変わった私ですが、以前はとてもよくお酒を飲みました。で、毎晩飲み歩いていると、行く先々で私の前に長崎屋の丁稚だった久助さんに会うわけです。もともと知らない仲ではありませんでしたので、“博吉、文庫に来るってのはどうよ?”“いいっすね”“『しゃばけ』好き?”“いいっすね”とか言い交わしているうちに、現実の話になりました。


――ああ、これが噂に聞く“新潮社の仕事は社員食堂と酒場で決まる”ってやつですね。デスクにいるときには、ろくに仕事の話はしないって言う……。


博吉:うーん。まぁ、そういう側面はあるかもね……。


――『しゃばけ』シリーズを読んだときの感想は?

博吉:お恥ずかしいことに最初に読んだのは『しゃばけ』でなくて『ぬしさまへ』なのですが、“空のビードロ”という短編が入ってるでしょう。そのなかに「日も届かない水の底から、空に向かって青が駆け上がってゆくような色合い」という一文があるんです。この美しさに、私はやられてしまいました。


――博吉って意外とロマンチストなのねぇ。


博吉;意外と、は余計だ。


――でも、文章でそれだけやられてしまうと、著者の畠中さんに初めて会ったときは緊張したんじゃない?


博吉:そりゃ、もう。私も緊張してるし、畠中さんはシャイな方だから、最初は私と目を合わせてくださらなくて、話しかけても“きゅわわぁ”とか鳴家のような声をお出しになるし。もしかしてここにいるのは、畠中さんに化けた鳴家かもしれないとか、私としたことがくだらない妄想に捕らわれたりして、もうしどろもどろでしたよ。


――そりゃぁ、畠中さんも博吉の回りくどい話に飽き飽きしてたんじゃ……。


博吉:断じて違う! おこぐみたいながさつな人間には、繊細な人間関係とか分からないだろうけどな!


――ふーん。(疑惑の目)


博吉:サイン会のお手伝いに行ったときにさ、畠中さんが来てくださったみなさんとお話されながら、“んー、於りんちゃんも人気ですねー”とかつぶやいてじっと考え込む様子が印象的だったよ。脇に立っていると“おお、新作の構想がいまこの瞬間に誕生しているのか?”と、なんかドキドキしちゃったりね。


――おこぐもその場面は見てたけど、そうか、於りんちゃん、人気だなー、としか思わなかったよ。


博吉:やっぱり、おこぐはがさつだなっ。


――博吉は考え過ぎなんだよっ。


ケンカしてるんだか、インタビューしてるんだかよく分からなくなってきたので、続きは気を落ち着けて、次回にアップしたいと思いま~す。

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