上野美子(東京都立大学人文学部教授)

シェイクスピア大全 
CD-ROM版

ISBN:4-10-850038-5
定価:33,600円
『シェイクスピア大全 CD-ROM版』は、コンピューターの可能性を生かした、情報の宝庫です。専門家だけでなく、一般の演劇愛好家にも役立つ、新世紀の画期的な贈物です。シェイクスピアの全作品、37戯曲と詩6篇の原文はもとより、坪内逍遙の全訳を初めとする翻訳が、実に180本も収められています。しかもそれらが、シェイクスピアの生涯を解説する「それが問題だ」や、作品の「キーワード」、豊富な図版とリンクされています。つまり、原文と多種多様な訳文、作品に関わる情報が、同じ画面に立ち現われるのです。従来ならば、原作とさまざまな翻訳書、コンコーダンス、研究書を山と積みあげ、一冊ずつ頁を繰らなければならなかったところが、瞬時に画面で検索できるのです。あなたの好みに合わせて、あなた自身のシェイクスピア電子図書館を作ってください。

金子雄司(日本シェイクスピア協会会長、中央大学教授)
訳文学を抜きにして明治以降の文化を語ることは不可能である。とりわけシェイクスピア作品翻訳の果たした役割はきわめて大きい。逍遙以降の翻訳家たちがどのように読み、日本語に移したか――この格闘の跡を辿ることは日本のシェイクスピア受容史にほぼ重なる。180作品を収録する『シェイクスピア大全 CD-ROM版』により、シェイクスピア翻訳のほぼ全貌を容易に閲覧出来ることは、現代の読者の大いなる幸せであり、特権である。  

出口典雄(シェイクスピア・シアター主宰)
ェイクスピアは言葉である。言葉の劇である。言葉の豊かな海である。生と死に、愛と憎しみに引き裂かれた心の発する血湧き、肉躍る言葉の宝庫である。
 いま、日本語によって、この海を渡り、この宝庫の扉を開き、日本語のシェイクスピアを創出しようとする冒険者たちがいる。かつてもいた。
 これは、新しい言葉の海の誕生を試行する彼らの戦いの、苦闘の全記録である。全歴史である。

柳瀬尚紀(英文学者)
ェイクスピアの原文と翻訳を、しかもこれだけの種類の翻訳を読み比べるということは、たんに語学や翻訳技法の習得に役立つにとどまらない。それはもはや知的な言語ゲームだ。言葉に関心ある者なら誰しも興奮するゲーム。特に若い読者=ユーザーがこの知的な言語ゲームに遊んで、創造的な刺激を受けることを期待する。複数の出版社の協力も特筆すべきだろう。それによって電子出版の将来の可能性へ確実な一歩が踏み出されたからだ。