夜露死苦現代詩2.0

ストリート生まれ、音楽を

第9回・腕を上げ光り出せコラ、まるで泥から芽出す蓮の花――小林勝行

小林勝行
『108 bars』
『丈夫軍手'z』
『元カノ達の慕情』

右のアイコンをクリックしてダウンロードサイトよりMacromedia Flash Playerプラグインをダウンロードし、インストールしてください。

flash

立ち読み(本誌記事より)

(文・都築響一)

 神戸三ノ宮から地下鉄西神・山手線に乗って約30分。伊川谷(いかわだに)は「神戸」というしゃれた語感からはほど遠い、田んぼとスーパーマーケット、中古車屋にファストフード店が混じり合う典型的な郊外の町だ。駅からさらに車で10分ほど、県道沿いに建つ大きなカラオケボックスで、小林勝行は僕を待っていてくれた。

小林勝行

 1981年1月6日、神戸市垂水区生まれ。2006年に「神戸薔薇尻」名義で音楽活動を始め、DJ NAPEYのセカンドアルバム『FIRST CALL』に「蓮の花」、SEEDA & DJ ISSOによるオムニバス・アルバム『CONCRETE GREEN』に「絶対行ける」、そしてSCARSのSACがシーンの重要MCを招聘したアルバム『FEEL OR BEEF』に「ちょけんねん」、同郷の神門と発表した「HERE IS HAPPINESS」など、発表曲数は少ないながらも常に爆発的なインパクトを残してきた。

NEWS
  • 神戸薔薇尻
     初のソロアルバム『神戸薔薇尻』は、誌面で紹介した「108 bars」「絶対行けるII」などの6曲を含む18曲を収録。4年の沈黙を破り、「神戸薔薇尻」こと小林勝行をシーンに引き戻した待望の作品集を、是非お聴き下さい!

都築響一(つづき・きょういち)
1956年、東京生まれ。現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で編集・執筆活動を続ける。93年、東京のリアルな居住空間を捉えた『TOKYO STYLE』を発表。96年には『ROADSIDE JAPAN』で第23回木村伊兵衛賞を受賞。『賃貸宇宙』『着倒れ方丈記』『バブルの肖像』『現代美術場外乱闘』『天国は水割りの味がする』など著作多数。今回の連載は、街角に隠れた言葉で日本の現在を映し出した『夜露死苦現代詩』(05年から06年にかけて『新潮』に連載)に続く形となる。
都築響一

ページの先頭へ戻る