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◆ダンシング・ヴァニティ(長篇第1部)/筒井康隆

新潮 2007年2月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/01/06

発売日 2007/01/06
JANコード 4910049010273
定価 特別定価996円(税込)

◆ダンシング・ヴァニティ(長篇第1部)/筒井康隆
 反復し増殖し錯乱し乱舞する意識/言語/身体。
 これが極限の筒井ワールド、21世紀文学のダンス!

◆ひかりのあしおと(150枚)/村田沙耶香
 私の皮膚にこすりつけられた、さまざまな粘膜、
 体液、言葉。ピュアな怪物としての女の「恋」。

◆ヘルシンキ/池澤夏樹

◆ジュニエ爺さんの馬車/森内俊雄

◆海松/稲葉真弓

◆妻の恋人/辻 仁成

◆ネバーランド(4)/藤野千夜

◆日没サスペンディッド/桐野夏生

◆解決と「○ん○ん」(5)
 ―ディスコ探偵水曜日 第三部―(120枚)/舞城王太郎

■連載小説
・決壊(四)/平野啓一郎
・太陽を曳く馬(五)/高村 薫
・神器―浪漫的な航海の記録―(十四)/奥泉 光
・花の回廊(十五)/宮本 輝
・城砦(十九)/加賀乙彦

◆大竹伸朗――寒さと残酷さからなる響きのブルース(後篇)/椹木野衣
 廃棄物からなる美術史の双生児。その貧者の栄光。

■文学の基本/車谷長吉

■出ふるさと記IX――世捨て・深沢七郎/池内 紀

■関係の化学としての文学(七)/斎藤 環

■新潮
・死、生の別の名 カトリーヌ・ビネのこと/森元庸介
・慊い/西村賢太
・読者が選んだシンボルスカ/つかだみちこ
・さよならロックンロールばばあ/オギノアツシ

■本
・伊井直行『愛と癒しと殺人に欠けた小説集』/青木淳悟
・絲山秋子『エスケイプ/アブセント』/丹生谷貴志
・多和田葉子『海に落とした名前』/沼野充義
・加藤幸子『家のロマンス』/蜂飼 耳
・村田喜代子『鯉浄土』/日和聡子
・星野智幸『われら猫の子』/前田 塁

■連載評論
・極薄の閾のうえを(十二)/磯崎 新
・明治の表象空間(十二)/松浦寿輝
・〈記憶〉の中の源氏物語(三十)/三田村雅子

◆第39回《新潮新人賞》応募規定

編集長から

ダンシング筒井康隆

◎「一般読者や同業者が首を傾げたり、もしかすると「錯乱の産物」として眉を顰めるかもしれないような小説を創ることこそわが使命」。これは本号掲載の「ダンシング・ヴァニティ」(長篇第1部130枚)を予告した筒井康隆氏の言葉だ(1月号「小説と共時性」)◎尋常でない作品である。コピー&ペーストによりデータが増殖するかのように反復=継続する世界。何がオリジナルで何がコピーかが意味をなくし、散乱し分裂する意識/言語/身体がネットにおけるリンクのように関係しあう世界。本作が捉えるのは、そのような21世紀の世界の「ダンス」だ。読者には存分に首を傾げ、眉を顰めていただこう。あるいは身を捩って爆笑、時に戦慄していただこう。本作が誘発する身体の運動こそが、文学のダンスだ◎作家の目の前の原稿用紙/モニターから新たな言葉が登場し、未知のダンスが始まる。小誌がそのステージであれたら嬉しい。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞