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鹿島田真希(140枚)

新潮 2007年8月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/07/06

発売日 2007/07/06
JANコード 4910049010877
定価 特別定価996円(税込)

◆女小説家の一日(140枚)/鹿島田真希
 女小説家は明るく狂い、やがて闇に沈んだ。
 その意識の流れ、再生への希求を描く挑戦作。

◆俺/佐伯一麦

◆砂漠回廊/村田喜代子

◆蛹/田中慎弥

◆随時見学可/大竹昭子

◆ネバーランド(6)/藤野千夜

◆ダンシング・ヴァニティ(第3部 130枚)/筒井康隆

◆作家生活50周年記念小説(短期集中掲載3) 第三章 You can see my tummy.
 臈(らふ)たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ/大江健三郎

■連載小説
・カデナ(四)/池澤夏樹
・決壊(十)/平野啓一郎
・太陽を曳く馬(十一)/高村 薫
・神器―浪漫的な航海の記録―(二十)/奥泉 光
・城砦(二十五)/加賀乙彦

◆第40回《新潮新人賞》応募規定

■ 特別対談 ■
・日本美術史を読み直す――『ひらがな日本美術史』完結を機に――
 /橋本 治+浅田 彰

■追悼 大庭みな子
・大庭みな子さんの思い出/加賀乙彦
・愛着と哀しみと/津島佑子

■出ふるさと記XI――うろつき・田中小実昌/池内 紀

■わが戦前―平成年間の感情、思想、文芸― 第十二回/福田和也

■関係の化学としての文学(十)/斎藤 環

■見えない音、聴こえない絵(42) 絵の根っこ/大竹伸朗

■新潮
・世捨人/車谷長吉
・会話の火事/山崎ナオコーラ
・反復するメルヴィル/大和田俊之
・初のヨーロッパツアーを終えて/岡田利規

■本
・辻井 喬『萱刈』/安藤礼二
・堀江敏幸『めぐらし屋』/栗田有起
・中平卓馬『見続ける涯に火が… 批評集成 1965-1977』/すが秀実
・青木淳悟『いい子は家で』/豊崎由美
・大江健三郎・尾崎真理子『大江健三郎 作家自身を語る』/野崎 歓
・桐野夏生『メタボラ』/前田 塁

■連載評論
・マキノ雅弘(二)/山根貞男
・明治の表象空間(十七)/松浦寿輝
・極薄の閾のうえを(十七)/磯崎 新
・〈記憶〉の中の源氏物語(三十六)/三田村雅子

編集長から

文芸誌のスリル

◎筒井康隆氏の『ダンシング・ヴァニティ』と大江健三郎氏の『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』。同学年の大ベテランによる短期集中掲載が同時に佳境を迎えつつある。筒井氏は、作品形式の困難さゆえ、「僅かな枚数の連載であっても(略)たちまち追い詰められてしまうであろう」(小誌掲載随筆より)と予告した上で、連載を開始した。大江氏も五〇年の作家キャリアのなかで、第一次稿の完成を待たずに連載開始に踏み切ったのは初めてだという。大胆な綱渡りだ。危険な挑戦だ。にもかかわらず……否、だからこそ、それぞれの作品に漲る活気と緊張感はどうだろう! 文芸誌という空間に繰り広げられるスリリングな「同時代ゲーム」にご注目いただきたい◎無論、若い書き手も賭けに出た。鹿島田真希氏『女小説家の一日』(百四十枚)◎橋本治氏の『ひらがな日本美術史』全七巻完結を機に、橋本氏と浅田彰氏に語り合っていただいた。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞