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かもめの日(330枚一挙掲載)/黒川 創

新潮 2008年2月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/01/07

発売日 2008/01/07
JANコード 4910049010280
定価 特別定価996円(税込)

◆かもめの日(330枚一挙掲載)/黒川 創
かつて、この地球の上空で、宇宙飛行士は「わたしはかもめ」と叫んだ。今、この地球の上で、傷ついた者達と傷つけた者達の長い一日が始まる。

◆首里城下町線/大城立裕

◆第二シーズン/楠見朋彦

■連載小説
・ばかもの(二)/絲山秋子
・幸福の森(二)/加賀乙彦
・カデナ(九)/池澤夏樹
・決壊(十六)/平野啓一郎
・神器―浪漫的な航海の記録―(二十六)/奥泉 光

■ 大討論 ■小説と評論の環境問題/高橋源一郎+田中和生+東 浩紀
小説のことは小説家にしかわからないのか?
進行する小説と批評の分断、変動する文学環境をめぐる白熱の議論・前篇。

■新連載 世の見方の始まり―織田作之助・夜店―/池内 紀

■書かれたことと書かせたもの――青木淳悟論/古谷利裕

■病み上がり『パリ感覚』(後編)/渡邊守章

■関係の化学としての文学(十三)/斎藤 環

■見えない音、聴こえない絵(48) 見えない絵/大竹伸朗

■わが戦前―平成年間の感情、思想、文芸― 第十六回/福田和也

■四方田犬彦の月に吠える(二)[文化月評]/四方田犬彦

■連載評論
・高畠素之の亡霊(二)/佐藤 優
・いはねばこそあれ――男色の景色(二)/丹尾安典
・現(うつつ)な像(二)/杉本博司
・マキノ雅弘(六)/山根貞男
・明治の表象空間(二十一)/松浦寿輝

■新潮
・映画の複数のヴァージョン
 ――『ブレードランナー ファイナル・カット』をめぐって/加藤幹郎
・*1 そんな分野はありません/円城 塔
・苔と古本の道/田中美穂

■本
・磯崎憲一郎『肝心の子供』/木村榮一
・星野智幸『無間道』/田中弥生
・J・ウィンターソン『灯台守の話』/津村記久子
・白石かずこ『詩の風景・詩人の肖像』/日和聡子

◆第40回《新潮新人賞》応募規定

編集長から

三つの世紀をかもめが飛ぶ
◎近代戯曲の頂点『かもめ』(1896)がチェーホフにより書かれてから約半世紀後、史上初の女性宇宙飛行士テレシコワは高度300キロの上空から地上に向けて叫んだ。「わたしはかもめ。気分良好。万事好調!」。黒川創氏の長篇『かもめの日』(330枚一挙掲載)は、二つの世紀を飛翔したかもめを不意に思い出すことから始まる。そして、21世紀のかもめは、姿こそ見せないものの、自由自在に飛翔する「視点」として、この地球の上で同じ朝を迎えた人間達の一日を物語るだろう。傷ついた者達と傷つけた者達がそれぞれの生を生き、いつしか不可視のかもめの飛跡によって結びつきあう長い長い東京の一日の物語◎小説のことは小説家にしかわからないのか? 進行する小説と批評の分断、変動する文学環境を巡り、高橋源一郎、東浩紀、田中和生の三氏に徹底的に討論していただいた。白熱の議論を本号、次号に分けて掲載する。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞