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◆歿後四半世紀特集◆小林秀雄の「響き」特別付録CD(名講演選)

新潮 2008年12月号

(毎月7日発行)

特別定価1,153円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/11/07

発売日 2008/11/07
JANコード 4910049011287
定価 特別定価1,153円(税込)

◆すっとこどっこいしょ。(150枚)/舞城王太郎
恋愛も進路もゼロ視界。
俺はどの選択肢を選ぶ?
舞城流、新しい青春小説。

◆青瓢箪(130枚)/宮崎誉子
派遣社員はビニール傘? 現代版「蟹工船」の妹と作家志望のニート兄の行く末は……

◆光の沼/稲葉真弓

◆庭の経験/マリーナ・ヴィシネヴェツカヤ  訳・解説/沼野恭子

◆あれが久米大通りか/大城立裕

◆邂逅/山崎ナオコーラ

◆麝香猫/遠藤 徹

◆ファントム、クォンタム(第四回)/東 浩紀

■新潮
・移動する母系家族/中上 紀
・1948年のラーゲリから『トウキョウソナタ』へ/中島一夫
・金井美恵子を読んでは書く日常それとも非日常?/榊 敦子
・是か非か「横浜トリエンナーレ」/山内宏泰

◆第41回《新潮新人賞》応募規定

◆◆歿後四半世紀特集◆◆小林秀雄の「響き」
【特別付録CD】27分の未発表音源「勾玉について」他、計70分強の小林秀雄名講演選

■特別対談■批評の肉体性を聴く/茂木健一郎+白洲信哉

【大型企画】日本小説技術史 第三回/渡部直己

【連載第二回】母性のディストピア――ポスト戦後の想像力/宇野常寛

■バイリンガリズム、エクリチュール、自己翻訳――その困難と喜び
 /ナンシー・ヒューストン  野崎 歓/訳

■作者は作品の外にいず、測量師は…… カフカ『城』ノート(4)/保坂和志

■生き延びるためのアメリカ文学(十)/都甲幸治
 バカの帝国――ジョージ・ソーンダーズ『説得の国で』

■四方田犬彦の月に吠える(十二)[文化月評]/四方田犬彦

■見えない音、聴こえない絵(58)/大竹伸朗

■本
・山根貞男『マキノ雅弘――映画という祭り』/青山真治
・小池昌代『ことば汁』/戌井昭人
・村田沙耶香『ギンイロノウタ』/岩宮恵子
・西村賢太『小銭をかぞえる』/正津 勉

■連載
・幸福の森(十二)/加賀乙彦
・高畠素之の亡霊(十二)/佐藤 優
・現(うつつ)な像(十二)【連載完結】/杉本博司
・明治の表象空間(三十)/松浦寿輝

編集長から

小林秀雄の「響き」
◎本号では特集〈小林秀雄の「響き」〉と題し、特別CD、茂木健一郎氏(長年の愛聴者)と白洲信哉氏(孫として肉声を知る)の対話をお届けする。70分を超える音声CDには、今回新発見された未発表音源「勾玉について」(27分)に加え、『小林秀雄講演』(現在七巻、小社刊)から聴き所を再編集したものを収録する◎志ん生ばりの、とは小林の名調子を語る際にしばしば用いられる言葉だが、小林秀雄は一度講演を引き受けると、「練り上げたどころじゃなく、原稿も時間をかけて作り上げて、練習も相当くり返した」(白洲氏)とのこと。「勾玉について」の小林は、手に入れた古の勾玉を掌に載せ、凝視し尽くすところから、刺激的な思考を次々に展開する。勾玉に共鳴した思考が、活字では表現できない「響き」となる。「音楽としてはやっぱり小林さんの講演が一番ですね。唯一無二と言っていいぐらい」(茂木氏)。ぜひ御一聴いただきたい。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞