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【創作特集】「わたしの人間失格」太宰治生誕百周年

新潮 2009年7月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/06/06

発売日 2009/06/06
JANコード 4910049010792
定価 特別定価996円(税込)

【新連載】慈雨の音 『流転の海』第六部/宮本 輝
日本文学に屹立する〈父〉松坂熊吾。その一生を通じ、時代と人の実相を描くライフワーク再始動。

太宰治生誕百周年
[創作特集]わたしの人間失格

◆尻の泉/町田 康

◆鏡よ鏡/松浦寿輝

◆グッド・ミン/柳 美里

◆トカトントンコントロール/佐藤友哉

◆すばらしい骨格の持ち主は/川上未映子

◆ignis/川上弘美

◆さらばボヘミヤン/松本圭二

◆夢の尻尾/辻 仁成

◆ファントム、クォンタム(第七回)/東 浩紀

■第22回三島由紀夫賞発表
【受賞作】夏の水の半魚人(冒頭掲載)/前田司郎
【選評】辻原 登/川上弘美/町田 康/平野啓一郎

【記念エッセイ】慎み深く、恥知らずに、頂戴いたします/前田司郎
【記念インタビュー】大いに自分のことを語る

◆第42回《新潮新人賞》応募規定

■ 対話 ■ 大野晋への感謝/丸谷才一+井上ひさし
日本語と日本の本質に迫った魂の追悼と継承。

■後南朝逃走史序説――神器争奪戦と「悪党」/高澤秀次

■蛙・ネルヴァル・精霊/高橋英夫

■平生則辞世 日本詩歌の一伝統から/高橋睦郎

■生き延びるためのアメリカ文学(十七)/都甲幸治
 妻の複製――リヴカ・ガルチェン『大気の乱れ』

■四方田犬彦の月に吠える(十九)[文化月評]/四方田犬彦

■見えない音、聴こえない絵(65)/大竹伸朗

■新潮
・ガルシア・マルケスを読む安部公房/書肆マコンド
・つまるところは神恩感謝/栗田有起
・「継承」という「断絶」/福間良明

■本
・『ブルターニュ幻想民話集』/岡谷公二
・山崎ナオコーラ『男と点と線』/小林紀晴
・鹿島田真希『ゼロの王国』/長野まゆみ
・斎藤 環『関係の化学としての文学』/丹生谷貴志
・稲葉真弓『海松』/蜂飼 耳
・多和田葉子『ボルドーの義兄』/堀江敏幸

■連載
・還れぬ家(四)/佐伯一麦
・幸福の森(十九)/加賀乙彦
・随想(七)/蓮實重彦
・残夢整理(七)/多田富雄
・母性のディストピア――ポスト戦後の想像力(九)/宇野常寛
・高畠素之の亡霊(十八)/佐藤 優

編集長から

太宰治に捧げる
◎今年六月十九日で太宰治生誕百周年。ついては、太宰の代表作『人間失格』を自由に換骨奪胎したトリビュート短篇小説をご執筆いただけないか?……そんな大胆といえば大胆な依頼を五人の作家におこなった。そして編集部に届いた原稿を読みながら、tributeすなわち「捧げもの」という語の真の意味を、まるで生まれて初めて知ったような気さえしたのだった。創作特集「わたしの人間失格」は、一九〇九年に誕生した文学者への、その百年後に生きる文学者、川上未映子・佐藤友哉・町田康・松浦寿輝・柳美里からの「捧げもの」だ。五つの作品それぞれは、あたかも太宰治その人が最初の読者であるかのような歓びと緊張に充ちている◎宮本輝氏のライフワークであり、氏自身の父をモデルにした大河小説「流転の海」第六部が待望の始動。「慈雨の音」連載第一回百枚を一挙掲載する◎第22回三島由紀夫賞が前田司郎氏の「夏の水の半魚人」に決定した。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞