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第44回新潮新人賞発表

新潮 2012年11月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2012/10/06

発売日 2012/10/06
JANコード 4910049011126
定価 特別定価996円(税込)

第44回新潮新人賞発表
【受賞作】肉骨茶/〈最年少受賞〉高尾長良
未来から食物どもが列を成す。強迫観念に追われる少女の奇妙な逃避行。
【インタビュー】人間世界のきわで吼える

【受賞作】黙って喰え/門脇大祐
幼馴染の腸にサナダムシ。恋人の眼にケモノ。リアルで並外れた才能登場!
【インタビュー】だとしても世界は存在するし、他者は存在する

【選評】川上未映子 桐野夏生 中村文則 福田和也 星野智幸

◆アメンボ/玄侑宗久
せ、しゅう、む……。あの日、福島県双葉郡で分断された命の〈絆〉は取り戻せるのか?

いつも彼らはどこかに/小川洋子
 第六回・チーター準備中

◆私の農業新聞作り
◆本当の話――一語一句聞いたとおり
◆物語の語り方
 マーク・トウェイン  柴田元幸/訳・解説

■連載小説
・雪 ちょうちんそで(四)[連載完結]/江國香織
・ニッチを探して(五)/島田雅彦
・双頭の船(八)/池澤夏樹
・満月の道(十)/宮本 輝
・ぶにせ(醜男)の しょっきち(正吉)[遊女考(十一)]/村田喜代子


第45回《新潮新人賞》応募規定

◆第20回萩原朔太郎賞発表◆
【受賞作】明日/佐々木幹郎
【選評】岡井 隆 高橋源一郎 平田俊子 松浦寿輝 吉増剛造

■ 新連載 ■
島尾ミホ伝 『死の棘』の謎/梯 久美子
戦後文学の極北に描かれた狂女にして聖女、その神話の底を掘り起こす野心的長篇評伝。

■吉田健一[第五回・100枚]/長谷川郁夫

翻訳は世界文学の別名である/沼野充義
 ――現代日本文学が外国語に翻訳されて何のいいことがあるんだ、と言う人たちのために

新人の勢いと老練の技術/池澤夏樹
 ――松家仁之『火山のふもとで』を読む

地上に星座をつくる/石川直樹
 第七回・霧のバレーボール

世界同時文学を読む 第十六回・引きずる愛/都甲幸治
 ――ジュノ・ディアス『こんなふうにお前はフラれる』

アメリカスケッチ2.0 ウェブと文化の未来を考える/池田純一
 第二十九回・レシピが拡げるネットワーク

見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
 第一〇二回・カッセルのクラフトワーク

■新潮
・なかそらの話/宮永愛子
・声を集める/高山 明
・海が光る、街が光る、私が光る/小林エリカ

■本
・松浦理英子『奇貨』/江南亜美子
・ドナルド・キーン『正岡子規』/菅野昭正
・伊藤計劃×円城 塔『屍者の帝国』/佐々木 敦
・後藤明生『この人を見よ』/東海晃久
・テア・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』/山崎佳代子

編集長から

第44回新潮新人賞発表
新連載『島尾ミホ伝』
◎第44回新潮新人賞が高尾長良(19歳)『肉骨茶』と門脇大祐(26歳)『黙って喰え』に決まった(高尾氏は本賞の史上最年少受賞)。スカウトの視点で前者の可能性が評価され、ジャッジの視点で後者の完成度が評価された、ということになるだろうか? だが、五人の選考委員の議論は繊細で、同時に厳しいものだった。その真摯な選考からは、「文学にとって完成度とはなにか?」「可能性とはなにか?」という、選ぶ側にとってもシリアスな問いが浮上するようだった。充実した選考により、一八七〇篇の応募作から選ばれたふたつの才能にご注目を!◎梯久美子氏による新連載『島尾ミホ伝 「死の棘」の謎』を開始する。生前の島尾ミホ氏(平成19年没)への取材で、「島尾敏雄が『死の棘』に書かなかった話」を告白された瞬間の梯氏の衝撃を読者と共有したい。《書くこと》と《(夫に)書かれること》の壮絶な相克の劇の始まりだ。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞