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綿矢りさ「大地のゲーム」(長篇240枚)

新潮 2013年3月号

(毎月7日発行)

943円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/02/07

発売日 2013/02/07
JANコード 4910049010334
定価 943円(税込)

大地のゲーム/綿矢りさ
あの夏の日、私たちは世界の割れる音を聞いた。また大地震は来るのか。難民化した学生が怯え溢れかえる大学で事件は起きた――。
[240枚]

鐘の渡り/古井由吉

忘れられたワルツ/神と増田喜十郎[短篇二作]/絲山秋子

青い海の精霊たち(ジン)/テア・オブレヒト
藤井 光/訳・解説

もうここにはいない/ジョナサン・サフラン・フォア
近藤隆文/訳

神が死んだ/無者の国[短篇二作]/S・クルジジャノフスキィ
東海晃久/訳・解説

■連載小説
・ニッチを探して(九)/島田雅彦

■新潮
・イェリネクの「距離」/宮沢章夫
・すっ/山下澄人
・書く行為は誰に向けられているのか/檜垣立哉

◆第45回《新潮新人賞》応募規定

◆◆ 川端康成 未発表小説 ◆◆
「星を盗んだ父」(フエレンク・モルナー作)
解説・深澤晴美

■ 対談 ■
未知の固有名が輝くとき――『批評時空間』をめぐって/佐々木 敦+堀江敏幸

嵐より甚しい凪――古井由吉論/高澤秀次

時間と化した物語作者――吉田健一論/角地幸男

有限性の方へ 第二回・さまざまな近代二分論/加藤典洋

鏡花、水上、万太郎[其の三]/福田和也

島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[第四回]/梯 久美子

アメリカスケッチ2.0 ウェブと文化の未来を考える/池田純一
 第三十一回・イノベーションの起こる場所[連載完結]

世界同時文学を読む/都甲幸治
 第十九回・長い旅――トニ・モリスン『故郷』

見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
 第一〇五回・境界のグワッシュ

■本
・平野啓一郎『空白を満たしなさい』/大澤真幸
・柄谷行人『哲学の起源』/小林敏明
・柴崎友香『週末カミング』/佐々木 敦
・高村 薫『冷血(上・下)』/中条省平
・小川洋子『ことり』/蜂飼 耳

編集長から

21世紀の文芸と文明
◎池田純一氏の約3年間に及ぶ連載『アメリカスケッチ2.0』が最終回を迎えた。司馬遼太郎氏が20世紀文明の極限としてのアメリカの姿をとらえた『アメリカ素描』(1986年刊)を四半世紀後に更新しようとした本連載の課題は、その副題のとおり、アメリカの歴史と現在への考察を通じ、《ウェブと文化の未来を考える》ことだった。そして、課題は達成された。文化と文明。このふたつを注意深く区別したのはまさに司馬氏だが、池田氏は、ウェブ/インターネットがもはや文化を超え文明となった時代に生きている私たちのリアリティを見事に掴んでみせた◎東日本大震災がこの国に突きつけた事実のひとつは、私たちは常に「震災後」を生き、常に次の「震災前」を生きていることではなかったか。私たちの精神は永遠に揺れ震え続ける。そのリアリティが、綿矢りさ氏の『大地のゲーム』(長篇一挙掲載)には驚嘆すべき強度で充ちている。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞