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創刊一三〇〇号記念特別号

新潮 2013年5月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/04/06

発売日 2013/04/06
JANコード 4910049010532
定価 特別定価996円(税込)
創刊一三〇〇号記念特別号

1904年(明治37)年創刊の文芸誌が44人の小説家と協同(コラボレート)しました。今、創られたばかりの新しい小説と特別原稿を読者へ――


〈創作特集〉

万物は振動し/赤坂真理

Search And Destroy/阿部和重

苦麻の村/池澤夏樹

始発まで/絲山秋子

ショッピング・モールで過ごせなかった休日/岡田利規

熊/加賀乙彦

うなぎ屋の失踪/角田光代

砂糖菓子哀歌/鹿島田真希

破船/金井美恵子  コラージュ・岡上淑子

REAL/桐野夏生

野焼/佐伯一麦

糸/柴崎友香

名誉死民/島田雅彦

日日漠弾トンコトン子/笙野頼子

百合/瀬戸内寂聴

ある出立/高村 薫

たそがれ/辻原 登

天窓/津島佑子

歪んだ忌日/西村賢太

水こほる聲/古井由吉

つわものどもが/古川日出男

『事の次第』を読んでる/保坂和志

湖畔/町田 康

不動/村田喜代子

鍵と鍵穴/山田詠美

■連載小説
・ニッチを探して【連載完結】/島田雅彦
・満月の道(十五)/宮本 輝

◆第46回《新潮新人賞》応募規定

〈記念特集〉小説家の「幸福」

つ、釣られないぞ/伊井直行

ことば以前の世界/いしいしんじ

オートバイと不安定/戌井昭人

小石を拾いに/小川洋子

「この人を見よ」あるいは、ボヴァリー夫人も私だ/金井美恵子

二つのこけし/黒井千次

漱石の幸福感/黒川 創

四ぶんの三せいきの報告書/黒田夏子

穴/小池昌代

で、まあ俳句でも/小林恭二

作家か人間か/田中慎弥

小説家の「不幸」と「幸福」/筒井康隆

心に残る一作/津村節子

幸福?/長野まゆみ

基本は「不幸」/中村文則

背景を見ている幸福/橋本 治

書き続けること/日和聡子

悶の活用/藤沢 周

「タレント」と「タラント」/水村美苗

幸福な休日/村田沙耶香

鏡花、水上、万太郎[其の五]/福田和也

地上に星座をつくる/石川直樹
 第十一回・原発前の猪

世界同時文学を読む/都甲幸治
 第二十一回・母の襲撃――ルイーズ・アードリック『円い家』

見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
 第一〇七回・男と根の関係

■本
・江國香織『ちょうちんそで』/斎藤 環
・岡田利規『遡行』/佐々木 敦
・高尾長良『肉骨茶』/豊崎由美
・安部公房『(霊媒の話より)題未定』/丹生谷貴志
・山田詠美『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』/野崎 歓
・佐伯一麦『還れぬ家』/福田和也

編集長から

創刊一三〇〇号
◎創刊一三〇〇号記念号をお届けする(明治三十七年創刊)。九年前、創刊一〇〇周年記念号を編集した際には、「一〇〇年」の歴史を回顧しながら、その時の積み重ねのただならぬ重さに圧倒されもした。実際、小誌は通巻号数において日本最大の(そして世界有数の)月刊文芸誌だ。だが、本号を編集するにあたり、編集子がイメージしたのは、毎月一度発表される誌面のために、文学者たちが全身全霊で創作のラストスパートをかけている瞬間の姿だ。想像力が爆発的に駆動する瞬間。その成果としての作品が読者の想像力と深々と共振する瞬間◎本号で読者に届けたいのは、一二九九回なされたラストスパートの先にある、この号だけにしかない〈最新作〉だ。現代日本文学の最前線を示す創作特集のみならず、随筆特集にもご期待いただきたい。数多くの書き手に《小説家の「幸福」》とは何かを問うた。回答は二〇一三年の作家精神を読者に伝えるはず。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞