川上未映子「ミス・アイスサンドイッチ」
新潮 2013年11月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2013/10/07 |
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JANコード | 4910049011133 |
定価 | 特別定価996円(税込) |
【受賞作】太陽/上田岳弘
【インタビュー】小説でどこまで遠くに飛べるか
・満月の道(二十一)/宮本 輝
【受賞作】死語のレッスン/建畠 晢
平凡な人生、奇妙な小説/藤野可織+西村賢太
第一一三回・瀬戸内海とテムズ河
・同人雑誌の頃/西村賢太
・言葉のあいだに暮らして/谷崎由依
・丸谷才一さん最後の買い物/柴田光滋
・オチについて、よ~いドン!/福永 信
・ガンつける/大浦康介
・松家仁之『沈むフランシス』/マイケル・エメリック
・東 浩紀『クリュセの魚』/巽 孝之
・戌井昭人『すっぽん心中』/都甲幸治
・鶴川健吉『すなまわり』/富岡幸一郎
・橋本 治『初夏の色』/平松洋子
・山下澄人『砂漠ダンス』/古谷利裕
編集長から
◎第45回新潮新人賞が上田岳弘(34歳)「太陽」に決まった。近年の同賞受賞作のなかでも虚構への意志が破格に漲ったものではないか。なにしろ新宿の安ホテルでの大学教授と風俗嬢の出会いから始まる物語は、たちどころにアフリカ中央部へ、パリ十八区の蚤の市へと飛躍し、各地の登場人物たちの運命が絡み合い、太陽の核融合システムや錬金術史が作中に織り込まれ、ついには人類の進化、果ては地球の終焉まで描かれるのだから。誇大妄想的なホラ話? だが、かくも破天荒な作品世界さえ受け容れうることこそが小説の可能性であり、それを新人作家は野蛮に行使してみせたのだ◎川上未映子「ミス・アイスサンドイッチ」は繊細な心理の運動こそが小説最大のアクションでもありうることを、野田秀樹の長篇戯曲「MIWA」は実在の人物(美輪明宏)の個人史からも壮大なフィクションを創出しうることを教えてくれる。本号には虚構への意志が充ちている。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。