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黒川 創「深草稲荷御前町(110枚)」

新潮 2013年12月号

(毎月7日発行)

943円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/11/07

発売日 2013/11/07
JANコード 4910049011232
定価 943円(税込)

深草稲荷御前町[110枚]/黒川 創
世界の幸福と不幸の絶対量は同じなのか――。京都の片隅の喫茶店に集う「見下げられている者たち」が見た剥き出しの“世界の輪郭”

土の記[第二回]/髙村 薫

疒(やまいだれ)の歌[第二回]/西村賢太

別所さん/絲山秋子

兎/日和聡子

宙吊り/大竹昭子

■連載小説
・満月の道(二十二)[連載完結]/宮本 輝

■新潮
・器用なだけで貧乏ではない/前田司郎
・ヘアサロン攻防 秋の陣/鈴木涼美
・島田清次郎と「新潮」/風野春樹

吉田健一[第九回・百七十枚]/長谷川郁夫
批評、エッセイ、そして小説。四十代にして「宰相の御曹司」の異能は縦横に開花した!

◆◆大江健三郎 ロング・インタビュー◆◆
――最新作『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』と3・11後のこと
聞き手・構成/尾崎真理子

■■追悼・秋山 駿■■
・私のすべての小説を読んでくれた恩人/瀬戸内寂聴
・石ころと天才の間――秋山駿の思ひ出/高井有一
・秋山駿の地声/山城むつみ

批評時空間特別篇『地面と床』の上と下/佐々木 敦

ピンチョン新作狂想曲/木原善彦

小林秀雄[第六回]/大澤信亮

有限性の方へ 第九回・しないことができることの彼方/加藤典洋

島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[第十一回]/梯 久美子

見えない音、聴こえない絵[第一一四回]/大竹伸朗

■本
・鹿島田真希『ハルモニア』/池田雄一
・よしもとばなな『スナックちどり』/稲葉真弓
・中村文則『去年の冬、きみと別れ』/武田将明
・保坂和志『未明の闘争』/丹生谷貴志
・田中慎弥『燃える家』/平野啓一郎


編集長から

大江健三郎氏の長期戦

◎大江健三郎氏四年ぶりの長編小説『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』(講談社刊)の刊行を機に、三・一一後初のロング・インタビューを掲載する。そこから浮上するのは、文学とは長期戦である、ということ◎大江氏が『ヒロシマ・ノート』『沖縄ノート』を発表したのは、原爆投下と終戦から二十年後、二十五年後のことである。いわば〈フクシマ・ノート〉を“遅れてきた”書き手が二〇三一年に書くような長期戦がそこにあった。だが、それだけではない。『沖縄ノート』に対し名誉毀損を訴える裁判が起き、原告敗訴が確定したのは、さらに、『ヒロシマ・ノート』の作者を打ちのめした原発事故が起ったのは、二〇一一年。書籍刊行から四十年以上が過ぎても、戦いは継続し、書き手を強烈に巻き込むのだ◎「危機の中に宙ぶらりんのまま、老年の人間が自分の死について考える。あわせて自分の小説で未解決だった課題を解いて行く」(大江氏)。その戦いはさらに続くはずだ。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞