上田岳弘「私の恋人」(190枚)
新潮 2015年4月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2015/03/07 |
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JANコード | 4910049010457 |
定価 | 特別定価998円(税込) |
・つのる侘しさ/瀬戸内寂聴
・河野さんの詩と日記/川上弘美
・河野文学の超現実の森/梅原稜子
現代思想の使命/浅田 彰×中沢新一×東 浩紀
古事記のインターフェイス/池澤夏樹×山本貴光
――和合亮一「詩の礫」から佐伯一麦『還れぬ家』の方へ
第三十回・佐賀県で全部
第一二七回・形の尻尾
・グローバル/グローカル/ローカル――ケーララ州国際舞台芸術祭に参加して/内野 儀
・声は残される/関口涼子
・汽水域のアニメーション――『花とアリス殺人事件』をみて/塚田 優
・田中慎弥『宰相A』/苅部 直
・磯崎憲一郎『電車道』/滝口悠生
・高橋弘希『指の骨』/田中和生
・滝口悠生『愛と人生』/豊崎由美
・小野正嗣『九年前の祈り』/渡部直己
編集長から
「現代思想の使命」
◎浅田彰、中沢新一、東浩紀の三氏による鼎談「現代思想の使命」は二重の意味で画期的なものと言えるだろう。日本の思想を牽引する三者の初めての対話という点において。そして、一九八九/九一年(東欧民主化/ソ連崩壊)から一九九五年(阪神大震災、オウム事件)を経て二〇一五年(シャルリー・エブド事件、IS問題)にいたる二十五年間を歴史の波動として包括的に議論した、という点において。社会的な現象を、その表層に囚われず、より大きな次元の中で考えること。そのとき、個々の現象は地球規模・歴史規模の問題に姿を変える。そのような「思想の使命」の実践を小誌に記録できることを嬉しく思う◎新潮新人賞によるデビュー後、わずか二作(「太陽」「惑星」)で独自の作品世界を獲得し、注目を集める上田岳弘のさらなる飛翔作をお届けする。「私の恋人」(一九〇枚)は十万年前に始まり、原子力~情報技術の時代の先へと続く人類の壮大な三つの「旅」を描く。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。