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上田岳弘「私の恋人」(190枚)

新潮 2015年4月号

(毎月7日発行)

特別定価998円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/03/07

発売日 2015/03/07
JANコード 4910049010457
定価 特別定価998円(税込)

私の恋人/上田岳弘
この小説は人類の未来を予言する!? 旧石器時代のシリア、ナチス期ドイツ、現代日本。三つの時空を生きる「私」の10万年越しの恋。

レネー・シンテニス広場/多和田葉子
郵便局、ジャマイカの旗、彫刻家――言葉とイメージが豊かに織りなす都市遊歩=小説。

川の棺/いしいしんじ
その目でみてみなけりゃ、想像もつかないだろうね。世界一奇妙で幸福な棺桶を探す旅。

■■ 連載小説 ■■

繭(十二)【連載完結】/青山七恵

荒れ野にて(四)/重松 清

ペインレス(八)/天童荒太

薄情(九)/絲山秋子

長流の畔(九)/宮本 輝

名誉と恍惚(十)/松浦寿輝

■■■ 追悼・河野多惠子 ■■■
・つのる侘しさ/瀬戸内寂聴
・河野さんの詩と日記/川上弘美
・河野文学の超現実の森/梅原稜子


■ 特別鼎談 ■
現代思想の使命/浅田 彰×中沢新一×東 浩紀
ソ連崩壊。大震災。オウム事件。シャルリー事件。IS問題。激動する世界の中、資本主義と工学主義に抗して〈知〉は何を示し得るか?

■ 対談 ■
古事記のインターフェイス/池澤夏樹×山本貴光
神々と日本国誕生を描く錯綜したテクストを創造的に読み直すために、今、何が可能か?

ジャン=リュック・ゴダール、3、2、1、――第1部「3」/佐々木敦

震災前後を結ぶ/田中和生
 ――和合亮一「詩の礫」から佐伯一麦『還れぬ家』の方へ

石川啄木[第十回]/ドナルド・キーン  角地幸男・訳

小林秀雄[第二十回]/大澤信亮

島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[第二十四回]/梯 久美子

地上に星座をつくる/石川直樹
 第三十回・佐賀県で全部

見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
 第一二七回・形の尻尾

■新潮
・グローバル/グローカル/ローカル――ケーララ州国際舞台芸術祭に参加して/内野 儀
・声は残される/関口涼子
・汽水域のアニメーション――『花とアリス殺人事件』をみて/塚田 優

■本
・田中慎弥『宰相A』/苅部 直
・磯崎憲一郎『電車道』/滝口悠生
・高橋弘希『指の骨』/田中和生
・滝口悠生『愛と人生』/豊崎由美
・小野正嗣『九年前の祈り』/渡部直己

編集長から

浅田彰+中沢新一+東浩紀
「現代思想の使命」

◎浅田彰、中沢新一、東浩紀の三氏による鼎談「現代思想の使命」は二重の意味で画期的なものと言えるだろう。日本の思想を牽引する三者の初めての対話という点において。そして、一九八九/九一年(東欧民主化/ソ連崩壊)から一九九五年(阪神大震災、オウム事件)を経て二〇一五年(シャルリー・エブド事件、IS問題)にいたる二十五年間を歴史の波動として包括的に議論した、という点において。社会的な現象を、その表層に囚われず、より大きな次元の中で考えること。そのとき、個々の現象は地球規模・歴史規模の問題に姿を変える。そのような「思想の使命」の実践を小誌に記録できることを嬉しく思う◎新潮新人賞によるデビュー後、わずか二作(「太陽」「惑星」)で独自の作品世界を獲得し、注目を集める上田岳弘のさらなる飛翔作をお届けする。「私の恋人」(一九〇枚)は十万年前に始まり、原子力~情報技術の時代の先へと続く人類の壮大な三つの「旅」を描く。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞