第47回新潮新人賞発表
新潮 2015年11月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2015/10/07 |
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JANコード | 4910049011157 |
定価 | 特別定価998円(税込) |
【受賞作】恐竜たちは夏に祈る/高橋有機子
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【受賞作】雁の世/川田絢音
衣笠貞之助 ――『狂つた一頁』と1920年代/四方田犬彦
鶴見俊輔さんのこと/富岡多惠子×黒川 創
革命と文学をめぐる、
ウクライナのロシア語作家と
日本のロシア文学者の対話
/アンドレイ・クルコフ×亀山郁夫
――青山七恵『繭』を読む/斎藤 環
第三十五回・新潟の潟
第一三四回・試行錯誤の瓦礫
・ぐうの音も出ないほどのたわ言/上田岳弘
・中平卓馬の不在を……/飯沢耕太郎
・純喫茶に恋して/難波里奈
・滝口悠生『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』/青木淳悟
・山下澄人『鳥の会議』/岩宮恵子
・円城 塔『シャッフル航法』/岡和田 晃
・大城立裕『レールの向こう』/富岡幸一郎
・渡部直己『小説技術論』/福永 信
・内村薫風『MとΣ』/藤井 光
・羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』/藤沢 周
・村上春樹『職業としての小説家』/古川日出男
編集長から
第47回新潮新人賞発表
◎第47回新潮新人賞が高橋有機子氏(33歳)の「恐竜たちは夏に祈る」に決定した◎1828篇の応募作から選ばれた最終候補5篇をめぐり、川上未映子、桐野夏生、中村文則、福田和也、星野智幸の五氏は各々の文学観をもとに全力で議論を戦わせた。顕在する欠点を見逃さない審判性と潜在する将来性を見出すスカウト性のどちらを重視すべきか? 討議を尽くしたとはいえ、多数決で決めていいのか? そんな文学賞の営みの在り様までも話し合われた。受賞作決定後でさえ、自らの文学的判断に賭けた思いが熱く語られ続けたのだ。選考委員を衝き動かしたものは何か? それを安易に名指すことは戒めよう。だが、「何か」を手渡された受賞者は幸福だと思う◎受賞作の主人公である女性二人は、歪な精神を抱えたまま、歪な世界の中で出会い、距離を縮め合う。二人の小さな旅を作者は「巡礼の真似事」(本文)と呼んだが、その旅に終わりはないことを、今後の創作において証してくれるはずだ。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。