【新連載】絲山秋子「NPAO」
新潮 2016年3月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2016/02/05 |
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JANコード | 4910049010365 |
定価 | 特別定価998円(税込) |
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第三十八回・ヤマハゲを見に行く
第一三七回・現代と絵
・永遠の過渡期にあって/宮内悠介
・サイト/横田大輔
・都市社会学の「下位文化」/田村公人
・青山南・編訳『パリ・レヴュー・インタヴューI・II』/坪内祐三
・村田沙耶香『消滅世界』/伊藤朱里
・佐々木敦『ゴダール原論 映画・世界・ソニマージュ』/細馬宏通
・青木淳悟『学校の近くの家』/松田青子
編集長から
◎野田秀樹氏の二〇一三年以来の最新戯曲「逆鱗」を掲載する。読者は脳内劇場に上演される虚構空間に一瞬で引き込まれるだろう。それを可能にするのは言語と身体を自在に往還する作者の稀有な運動性やヒューモアの強度だ。だが、野田作品の真骨頂は、その先にある。誌面/舞台の上に立ち上がる虚構を突き破るように、私たちの眼前にある過酷な現実が、消去不可能な過去の悲劇が、そして誰もが無意識に予感する未来の危機が、劇的に押し寄せてくるのだ。「逆鱗」のモチーフは人魚。人間の想像力から生まれたロマンチックで時にグロテスクな存在だ。だが、野田氏が新たな光を照らした瞬間、人魚はあの七〇年前の悲劇を召喚し、未来の危機を予言する。これこそが想像力の力だ◎絲山秋子氏が力作長篇「薄情」の完成から時をおかず開始する新連載「NPAO」、横尾忠則+瀬戸内寂聴+浅田彰の三氏が存分に語り合った対話の記録、等々。本号にみなぎる創造性にご注目いただきたい。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。