カオリの遺骨をモスクワの、亡き母エレーナのお墓の傍らに埋葬できたのは十一月十一日、ロシアとしては暖冬で雪もなく穏やかな日だった。日本から、遺児るちあ他総勢九名が納骨に参加してくださり、感謝に堪えない。一昨年の暮れ、カオリはるちあを連れて、自らが生まれた産院、通った日本人学校、育った家、祖父母の家、私が商社駐在員時代、夏・冬の休暇や週末に車を走らせては家族で過ごした、モスクワの一一七キロ北西にある外交官・ビジネスマン用のレジャー・キャンプを訪れた。るちあの記憶に自分のルーツを覚えさせ、その記録のフォト・エッセイ『MY SWEET HOME ~君に伝えたいこと~』を出版し、残したことは本当に「よくやった!」とほめてやりたい。