新潮新書

プーチンとガンダム
怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか
少し前に、島田紳助さんと松本人志さんの番組を見ていたら、「ニート」という言葉のことが話題に出ていました。何でも近頃は、働かない若い人をこんなふうに呼ぼうという動きがあるそうです。
それについてお二人は、「そんなもの、ただの無職なのだから、ニートなんて何かカッコよさそうな名前にしたら、そいつらは調子に乗る。カッコ悪い呼び名にしないといけない」というようなことを話していました。まったく同感でした。
そういえば少し前に「暴走族」のことを「珍走団」と呼ぼう、という動きがありました。これもカッコ悪い名前にしないと、彼らが調子に乗るから、という理由だったと思います。
不思議なもので、ことばの音にはそれぞれ何となくイメージがあります。濁音はどこか力強いですし、半濁音はどこか間抜けです。ゲルンバッハ博士なんて名前の人なら放射能とかそういう研究をしていそうです。ポンピュロス先生というと結構洒落のわかる人じゃないか、という気がします(どちらも適当に作った名前です)。
プーチンという名前に意表を突かれた方も多かったのではないでしょうか。これがロシアを牛耳る男の名前か、と。実際は別にして、名前だけはそれまでのゴルバチョフ、ブレジネフに比べるとどうしても迫力不足の感は否めません。どうしても、昔「週刊新潮」に連載されていた「プーサン」という漫画を思い出してしまいます。
それにしてもなぜ「ガギグゲゴ」は力強く感じられるのでしょうか。ゴジラ、ガメラ、キングギドラ、ガンダム等々、強そうなキャラクターの多くが濁音を含んでいます。
そしてなぜ「サシスセソ」は爽やかな感じなのでしょうか。印象を語るまでは誰にでも出来ますが、「そもそもなぜだろうか」と考えたら意外と答えられないような気がします。
『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』では、このへんの謎に対する解答を示しています。単なる文化的な問題としてではなく、脳科学、物理学まで使って、大胆な仮説を打ち出しています。
その具体的な内容については本書をお読みください。「ウメボシを見ただけで無意識に唾液が出る」というのがヒントです。
2004年7月刊より



