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編集者のことば 著者はもちろん、担当者にとっても手がけた本は我が子のように思えるものです。親バカだと思われるでしょうが、編集者の一冊の本にかける思いを読んでやってください。

大切なことは短く

大切なことは60字で書ける

高橋昭男

「一体現実を把握している者はいるだろうか?」
「屈折する星くずの上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」
「キャプテン・ファンタスティックとブラウン・ダート・カウボーイ(エルトン、バーニーの華麗な夢)」
 これは何かといえば、昔のロックの曲やアルバムの邦題です。最初のはシカゴというアメリカのバンドの曲名です。次のやつはデヴィッド・ボウイのアルバムタイトル。最後のがエルトン・ジョンの曲名です。あまりに長いので、デヴィッド・ボウイのやつは、「ジギー・スターダスト」というタイトルで現在は発売されています。

 どれもこれもタイトルとしてはかなり長い。別に日本の担当者が奇をてらったわけではなく、原題をある程度忠実に紹介した結果、こうなったのですから仕方ありませんが、それにしても長いです。
 さて、小泉首相は「ワンフレーズしか喋らない」「説明不足だ」といった批判をよく受けています。首相の政策の是非は置いておいて、その批判はちょっと間違っているような気がします。それらは彼の欠点ではなく、長所だからです。
「仰ることはわかります。私もあなたの気持ちに応えたいという気がしないでもないです。でも、私とあなたとはあまり趣味も合わないですし、将来についての考え方も違うと思うのです。正直言って年収にも不満があります。だからごめんなさい。つきあえません」というのだって、首相なら「悪い。無理」と要約してくれるはずです。
 それで喧嘩やトラブルになるのは厄介ですが、用件を簡潔かつ的確に伝える技術は非常に重要なはずです。『大切なことは60字で書ける』には、日常生活で「使える」文章を書くためのコツが詰まっています。
「必ず役立ちます。読んでください」
 短めにお願いする次第です。

2005年1月刊より

2005/01
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