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編集者のことば 著者はもちろん、担当者にとっても手がけた本は我が子のように思えるものです。親バカだと思われるでしょうが、編集者の一冊の本にかける思いを読んでやってください。

怖い人ではありません

本能の力

戸塚宏

『本能の力』の著者、戸塚宏氏は戸塚ヨットスクールの校長です。戸塚ヨットスクールについて語る際には、「あの」という言葉がその前に付くことが多い気がします。
 その「あの戸塚ヨットスクールの戸塚校長」ということなので、どうも怖い人だというイメージをお持ちの方が多いようです。
 確かに校長は海で鍛えた体の持ち主ですから、60歳をとうに過ぎた現在でも相当に頑健そうに見えます。拳もゴツいです。

 しかし、実際にお目にかかると誰もがその紳士的かつ論理的な話し方に驚かれるのではないでしょうか。しかも博覧強記です。「いじめ問題」のような最近の話題についてお尋ねすると、話はいつの間にか『論語』『中庸』へと飛び、ダーウィンが出てきてフロイトが顔を出し、システム工学の話になり……という具合です。
「それでもすぐに怒り出したりするのでは」と疑う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
 あるとき「電車の中で走り回るようなしつけのなっていない子供はムカつきませんか」とお尋ねしたところ、こんな答えが返ってきました。
「子供はそのくらい元気なほうがええやないですか」
 担当者のほうが狭量さを恥じた次第です。
『本能の力』は、戸塚氏の膨大な知識と豊富な経験が非常に論理的に書かれている本です。「子供は殴って鍛えろ」式の乱暴な話は一切ありません。

2007/04
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