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新潮新書

編集者のことば 著者はもちろん、担当者にとっても手がけた本は我が子のように思えるものです。親バカだと思われるでしょうが、編集者の一冊の本にかける思いを読んでやってください。

文体は語る

大人の見識

阿川弘之

 文体、とはいうまでもなく文章のスタイルであり、「語彙・語法・修辞などいかにもその作者らしい文章表現上の特色」(広辞苑)のことです。同じ言語を使いながらも、作家には皆それぞれの特徴がありますし、またそれを持ちうることが、作家である条件のひとつのようにも思います。

 11月新刊『大人の見識』は、「語る」という形式をとっていますが、お読みいただければ分かるように、文章の隅々にいたるまで、著者・阿川弘之さん独特の文体でつづられ(語られ)ています。本書の冒頭でも触れている通り、「不見識を自認する爺さんに、そんな大任は御勘弁」と渋る阿川さんに頼み込み、ようやく聞かせていただいた話がもとになってはいるものの、一冊としての仕上がりは、やはり紛れもなく著者の分身、すなわち「作品」なのでした。

2007/11
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