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編集者のことば 著者はもちろん、担当者にとっても手がけた本は我が子のように思えるものです。親バカだと思われるでしょうが、編集者の一冊の本にかける思いを読んでやってください。

「喋り模写」の名人

すべらない敬語

梶原しげる

『すべらない敬語』の中で梶原しげるさんは、小泉元首相から外国人、帰国子女まで、ありとあらゆる人の敬語とタメ語(非敬語)の分析をしています。
 その中でも、さすがアナウンサー歴30年、と思わせるのが、久米宏さん、みのもんたさん、小倉智昭さんという三人の喋り手の分析です。
 梶原さんはこの三人を「三大名人」として、ラジオでの喋りを見事に分析します。ここですごいのは、分析に使っているそれぞれの喋りというのが実は架空のものということ。梶原さんは、それぞれの特徴を掴んだうえで、「いかにもこういうふうに喋りそうなセリフ」を再構築しているのです。喋りの模写みたいなものです。

「インチキじゃねえか!」と思われるかもしれませんが、一読いただければ、納得していただけるはずです。模写です、と言われなければ絶対に気づかないような出来栄えなのです。分析によれば、名人たちは三人三様の技術をお持ちです。
 とにかくNHKのアナウンサー以上に敬語を使いまくる久米さん。
 ほとんどタメ語で突っ走るみのさん。
 原則に従って、敬語と非敬語をめまぐるしく使い分ける小倉さん。
 ここまで明晰に分解されて、名人たちが「商売妨害だ!」と怒り出さないか、気になるくらいです。

2008/01
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