新潮新書

クレーマーとオタク
オタクはすでに死んでいる
最近の若い人はおかしい。いや老人だって非常識だ。日本人全体がおかしい。劣化しているのだ。幼稚になっているのだ。
――こういう話をよく聞きます。統計的に証明できるわけではないですが、実感としてそんなふうに感じる場面はよくあるのではないでしょうか。
誰かがちょっとしたミス、失言をしただけで、寄ってたかって叩きまくる。土下座をしても許さない。そんな風潮もあるようです。
マスコミに大きな責任があるのはいうまでもありませんが、どうも日本中にクレーマー気分が蔓延しているかのような感じもします。
なぜそんなことになったのか。
岡田斗司夫さんは、「オタク」を切り口に、それを見事に読み解きます。
オタクの代表、オタキングとして知られる岡田さんは、あるときテレビ番組の企画で、若い「オタク」に会います。そして違和感を覚えます。
「どうもこれは自分の知っているオタクとは違う人たちが増えているようだ」
そこから岡田さんの脳は高速回転を始めます。
どこに違和感があったのか? じゃあオタクって何なのか? なぜオタクは変質したのか? この問題を考えていくうちに、思考は社会全体の変質に行き当たります。
そして「なぜ日本中にクレーマー気分が蔓延したのか」「なぜ日本人が劣化したとされるのか」という問いへの答えが導き出されるのです。
昨年50キロのダイエットで話題になった岡田さんが、「脂肪の次は思考の整理」とばかりに、大胆に日本という「一億総コドモ社会」を斬る社会評論です。
2008/04



