新潮新書

元事務局長の総点検
民主党―野望と野合のメカニズム―
「この党はもう駄目だ、と思って2001年に飛び出した時には、まさかこうなるとは思っていなかった」。
本書がいよいよ発売になるという頃、著者の伊藤惇夫さんは冗談交じりにこう仰いました。
各メディアで政治アナリストとして活躍中の伊藤さんは、かつて民主党の事務局長を務めていました。さらに遡ると、20年の自民党本部勤務の後に新進党に移り、太陽党、民政党の事務局長を歴任して「新党請負人」の異名を取った経歴があります。
その伊藤さんが今回挑んだのは、自民党と肩を並べるまでになった民主党の、意外にも知られていない歩みを整理することです。なかでも、なぜ「新党の時代」に誕生し、唯一生き残って拡大し続けてこられたのかを綴った10年のドキュメント(I 野望と野合の10年――結成前夜から小沢時代まで)が読みどころ。熱いドラマの途中には、伊藤さん自身の記憶も散りばめられています。
例えば、00年11月の「加藤の乱」の際、制圧されてしまうのが確定的になった夜に菅直人氏はワインで祝杯をあげていたそうですし、事務局長だった01年の初詣で願ったことはただ一つ、「どうか夏の参議院選挙まで森政権が続いてくれますように」だったとか――。
本書全体には「外野」になってからのクールな視線が貫かれており、それが有権者の抱く「民主党への疑問」に答える力となっています。満を持して送る「民主党・解体新書」を、どうぞお楽しみください。
2008/11




