新潮新書

ジンギスカンはなぜ廃れたのか
「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ―
根が小心者なので、街を歩いていて、他人の商売なのに心配してしまうことがあります。家の近所に喫茶店が出来ると「こんな田舎に喫茶店なんか大丈夫だろうか」と思います。会社の近所にモツ鍋屋が出来ると、「ブームが終わったらどうなるのだろうか」と思います。そんな心配するくらいなら、客になればいいじゃないか、という気もしますが、「俺が行きたくないような店だから余計に危ないなあ」などと思ったりもします。
『「お通し」はなぜ必ず出るのか』では、飲食業プロデューサーである著者が、現在の飲食業界の流れ、市場について鋭く深い分析をしています。ここで指摘されている「流行る店」と「潰れる店」の違いは、あらゆる商売に通じる普遍的な法則だという気がします。
たとえば著者は、ブームには「さざ波」と「海流」がある、と指摘しています。簡単にいえば、前者は一過性のもので、後者は定着するもの。最近でいえば、前者はジンギスカン・ブーム、後者は立ち飲み屋のブームだそうです。ブームに乗ることは悪くないものの、そのブームがどちらのタイプかを見極めることが、非常に重要だと説きます(もちろん、きちんとお客を捕まえて人気を維持しているジンギスカン屋さんもあります)。
そういえば新書もブームだと言われて、気づけばやたらと参入業者が増えてしまい、現在、市場は大変なことになっています。どうすればお客を惹きつけ続けることができるのか。いつも悩んでいるのですが、それについての示唆も、この本にかなり含まれているので、作りながら勉強をさせてもらったと思っています。
2009/05



