新潮新書

テレビでは言えないこと
テレビの大罪
しごく常識的な、当たり前のことがテレビでは言わせてもらえない、と著者は言います。その「当たり前のこと」とは、データに基づく客観的な判断や、まともな大人なら口にするであろう率直な疑問です。たとえば、テレビでは一件の少年犯罪が起きると、すぐ「少年による重大事件が増えている」と言います(統計上は増えていません)。また、テレビは事件や事故の被害者を一方的に持ち上げますが、被害者は無謬であるという視点だけで、次なる被害を防げるものでしょうか。
こうした「当たり前のこと」はテレビ以外のメディア、たとえばラジオや新聞、雑誌ならば伝えることができます。さらに、紙幅を費やした書籍であればなおのこと。「当たり前のこと」を言おうとしすぎるために、最近ではテレビの出演依頼が減ったという著者。今だから言える本音を、精神科医、教育関係者、そして二人の娘を持つ父親として吐露した本書は、良識ある大人であれば溜飲が下がること間違いなしの一冊です。
2010/08



