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特集:星 新一 没後十年 いつか見た未来

小説新潮 2007年11月号

(毎月22日発売)

817円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/10/22

発売日 2007/10/22
JANコード 4910047011173
定価 817円(税込)

【特集:星 新一 いつか見た未来】
【追憶エッセイ】小松左京/僕が愛した宇宙人

【対談】最相葉月×新井素子/「文学」より大きいひと

【トリビュート・ショートショート】
◆石田衣良/話し石
◆恩田 陸/忠告

◆阿刀田 高/星新一の工房を推し測る
――未公開の下書きと完成原稿から導き出された創作作法とは

【星 新一 ショートショート傑作選】
◆月の光
◆紙の城
◆ささやかれた物語(抄)
◆大森 望 選/この三篇で新鮮な驚きを

「星新一 一〇〇一話をつくった人」余滴
◆最相葉月/ユリカとマリナ

【あの日の星新一】
◆山藤章二/巨頭会談
◆在原芳子/「まり花」の一夜 写真・篠山紀信
◆北 杜夫/星さんの思い出
◆黒鉄ヒロシ/星の下のクロちゃん

【二大対談再録:着地点は予測不能! あの傑作対談をもう一度】
【恐怖対談】星 新一×吉行淳之介/一〇〇一篇目を書いた夜 篇
【おもろ放談】小松左京×星 新一×筒井康隆/告白的青春時代 青雲編

【グラビア】未来が生まれた場所

【小説特集:身も心も】
◆豊島ミホ/あなたを沈める海
――繰り返される最後の逢瀬。記憶の部屋にわたしはとりのこされる
◆岩井志麻子/蝶々の死後の花園
――タダでヤラせるのは、アホじゃ……騙し女の壮絶な人生
◆宮木あや子/天人菊
――屍のように生きるよりは、深く貫かれたまま、今死にたい
◆鹿島田真希/ふれないで
――孤独な僕の心を快楽で癒して。驚くほど即物的な君の愛で

【啄木も愛読したアメリカ春本発掘】
◆出久根達郎 訳・評者×山本タカト 絵師/彼女は「愛の矢」をくわえ
【赤裸々セックス鼎談:三者三様の猛者たちが語る中高年の性】
◆中村うさぎ×伏見憲明×松沢呉一/快楽も半ばを過ぎて 第一回 男と女の賞味期限

◆藤田宜永×小泉今日子/淡々と暮らす、転々と生きる
――生活、仕事、恋愛。気楽で深い大人のトーク

【読切シリーズ】
◆北原亞以子/歳月―慶次郎縁側日記―
――亭主は二人ともろくでなし。わたしは何をしてきたのやら
◆乃南アサ/ガイコツ―あすは我が身の刑法入門―
――母さん、妹はまだ赤ん坊なのに、そんなに叩いたら……
◆山本一力/海辺橋の女郎花―八つ花ごよみ―
――器量の悪い女房をあなどってきた亭主に思わぬ出来事が

【短期集中連載】
◆海堂 尊/ジーン・ワルツ

【集中連載評伝】
◆斎藤由香/猛女とよばれた淑女
――祖母・齋藤輝子の生き方

【第三回 新潮エンターテインメント大賞決定発表】
◆【受賞作】月のころはさらなり(抄)
◆【受賞の言葉】井口ひろみ
◆【選評】宮部みゆき

◆重松 清/ゼツメツ少年 第二回

【好評連載小説】
西村京太郎/阿蘇・ねずみを殺せ
赤川次郎/天国と地獄
宮部みゆき/ソロモンの偽証
高橋克彦/鬼哭鬼九郎

【新連載】太田和彦/居酒屋百名山
――呑んで歩いて二〇年。そのベスト一〇〇を全国からご紹介

【連載エッセイ】
柴門ふみ/恋のタネ
佐藤 優/功利主義者の読書術
山田詠美/アンコ椿は熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった

第四回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

ようこそ、おかえりエヌ氏のいた未来へ
 エヌ氏、エフ博士、ひとりの青年、ロボット――中高生の頃、誰もが親しんだ星新一の世界。どの時代にあっても、そこにはいつも「未来」があった。その純度が高く奥深い作品世界は、いわゆる「文学」の範疇を軽々と超えたのかもしれない。
 今月の特集は「星新一没後十年 いつか見た未来」。盟友・小松左京氏が追想し、傑作評伝を著した最相葉月氏と星氏に見出された新井素子氏が語り合い、阿刀田高氏が創作の秘密を読み解く。そして、大森望氏選の星作品ベスト3と伝説の二大対談再録に、石田衣良氏と恩田陸氏によるトリビュート・ショートショート。かつて見た、永遠の「未来」を、もう一度。
 小説特集は「身も心も」。豊島ミホ氏を始め、今もっとも注目される四人の女性作家が、恋情と官能の関係を描き上げる。かの石川啄木も愛読した泰西猥本を紹介する出久根達郎氏、中高年のセックスを赤裸々に語る中村うさぎ氏にもご注目を。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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