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新春短編大全集

小説新潮 2008年1月号

(毎月22日発売)

817円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/12/22

発売日 2007/12/22
JANコード 4910047010183
定価 817円(税込)

【特集:城山三郎の流儀】
【新発見遺稿 百二十枚】城山三郎/そうか、もう君はいないのか
「気骨の作家」を一人残し、妻は逝った――。運命の出会いから闘病を綴る愛のメモワール
◆井上紀子/父が遺してくれたもの――最後の「黄金の日日」
――母の待つ空へ飛び立った父。娘が共に歩んだラストデイズ
◆渡辺淳一/硬骨だが堅物ではない
――シニカルなユーモア、男女の仲、遺稿によみがえる在りし日の姿

【未公開書簡】個人情報保護法に断固反対する――。旧知の政治家に訴えた“自由への思い”
中曽根康弘元首相への手紙――恐ろしい明日を憂えて

◆中曽根康弘/最初で最後の手紙
――「よろしく頼みます」とだけ、城山さんは言った
◆単行本未収録エッセイ傑作選
――私的「正月の過ごし方」から「昭和」へのこだわりまで

【講演採録】リーダーの見識
歴代総理の素顔、高感度な生き方――城山流指導者論

【インタビュー】城山三郎の描いた男たち
廣田弘太郎/わが祖父・廣田弘毅と『落日燃ゆ』
中津留鈴子/『指揮官たちの特攻』で父に会えた

【読書案内】城山作品分野別著作ガイド
【経済】真山 仁 【戦争】辺見じゅん 【人物】江上 剛

【グラビア】城山三郎 半世紀の軌跡

【好評連載小説】
◆熊谷達也/X橋の虹 第二回
◆重松 清/ゼツメツ少年
◆赤川次郎/天国と地獄
◆宮部みゆき/ソロモンの偽証
◆高橋克彦/鬼哭鬼九郎

【赤裸々セックス鼎談】快楽も半ばを過ぎて
中村うさぎ×伏見憲明×松沢呉一/第二回 キレイなセックス、汚いセックス

【連載エッセイ】
黒柳徹子/小さいときから考えてきたこと
柴門ふみ/恋のタネ
佐藤 優/功利主義者の読書術
山田詠美/アンコ椿は熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった
太田和彦/居酒屋百名山

第二十回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
第四回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

【新春短編大全集】
◆浅田次郎/琥珀
◆阿刀田 高/赤い月の夜に
◆石田衣良/携帯小説家に出会ったら 6TEEN
◆伊集院 静/善い顔
◆宇江佐真理/雀、蛤になる―深川にゃんにゃん横丁―
◆恩田 陸/協力
◆角田光代/もうひとつ
◆北村 薫/よいしょ、よいしょ
◆小手鞠るい/はなむけの言葉
◆今野 敏/病欠
◆篠田節子/人格再編
◆曽野綾子/光散る水際で
◆乃南アサ/白い顔―あすは我が身の刑法入門―
◆畠中 恵/餡子は甘いか―しゃばけ―
◆藤田宜永/喧嘩の履歴
◆宮木あや子/雪割草
◆山本一力/京橋の小梅―八つ花ごよみ―
◆米澤穂信/北の館の罪人

【好評シリーズ】
◆北原亞以子/祭りの日―慶次郎縁側日記―

【新連載】
◆佐々木 譲/暴雪圏
――「制服捜査」の川久保巡査部長、再び! 雪嵐に閉された北の町で何が起こるのか
◆櫻井よしこ/母と過ごす至福の日々―続 何があっても大丈夫―
――大病から奇跡的な回復を遂げた九十六歳の母。「生きる」ことと介護の在り方を問う

編集長から

そうか、もう君はいないのか
 二〇〇七年三月、城山三郎氏は七十九年の生涯を閉じた。経済小説の開拓者であり、近現代史に材をとった評伝文学の第一人者でもあった。また、晩年に至るまで、戦争に抗する想いを燃やしつづけた。
 本誌連載の『指揮官たちの特攻』は、自ら「最後の作品になってもいい」と語り、事実、生前最後の小説となった。ところが、ここに遺されていた原稿がある。入院の直前まで書き進められていた草稿。それは半世紀を添い遂げ、城山氏より七年早く先立った愛妻・容子さんとの記憶を綴った恋歌であった。
 この新発見遺稿「そうか、もう君はいないのか」百二十枚を中心に、次女・井上紀子氏、親交のあった渡辺淳一氏、中曽根康弘氏の回想、単行本未収録エッセイ傑作選等々で、「城山三郎の流儀」を玩味してほしい。
 恒例「新春短編大全集」は全部読切、作家の名前だけでその充実と豪華を伝えるに十分だが、残念、紙幅が尽きた。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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