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今日から日記を書くために

小説新潮 2008年4月号

(毎月22日発売)

817円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/03/22

発売日 2008/03/22
JANコード 4910047010480
定価 817円(税込)

【特集:今日から日記を書くために】

【名篇再録】「小説新潮」掲載の二大「日記」シリーズから、選りすぐりの14篇

【作家の日記】遠藤周作/吉行淳之介/新田次郎/五味康祐/立原正秋/坪田譲治/山口 瞳/吉屋信子/檀 一雄/星 新一

【読書日記】江國 滋/色川武大/岸田今日子/藤沢周平

◆中野 翠/この日記のこの一行がすごい!
――豊饒なる日本の日記文学から、日常を切り裂くこの一行

◆この「日記」にやられた!
――嵐山光三郎/角田光代/椎名 誠/長部日出雄

◆坪内祐三/本好きの彼らの日記と共に本屋を歩く
――大正から昭和、みんな散歩がてら本屋に寄った

【私の○○日記】食事、読書、ダイエット――テーマ別日記の楽しみ実践編
阿川佐和子/岸本佐知子/長谷川純子/目黒考二

◆出久根達郎/名も知れぬ人の日記
――古書業界に流れる日記に「普通の人生」を垣間見れば

◆山本博文/日記で読む武士の真実
――紙面から滲み出る武士のため息、本音、処世術

◆速水健朗/ブログから新しい文学は生まれるのか
――ベストセラーを連発するブログ本を徹底検証!

◆長谷川純子/あの高橋書店に突撃!
――日記作りの老舗に「日記の極意」を聞いてみた

【新連載】
◆平岩弓枝/聖徳太子の密使
――傑作「西遊記」に続く心躍る冒険譚、待望のスタート!

【集中連載スタート】
◆道尾秀介/龍神の雨
――母を死なせたのも、継父の殺害を試すのも、全てはこの雨のせい
◆橋本 紡/Birth
――この時代に子供を望む女たちが見る悪夢に救いはあるのか

【好評シリーズ】
◆坂木 司/スペシャル
――天文部の“スパイ”たち。夏休みのミッションは?
◆西 加奈子/窓の魚
――温泉を訪れた四人の男女。それぞれの視点で描く一つの旅
◆乃南アサ/将来設計―あすは我が身の刑法入門―(最終回)
――証拠なし。自供もなし。しかし彼が犯人という理由は

【人気時代読切】
◆畠中 恵/天狗の使い魔 しゃばけ
――た、大変だぁ! 若だんなが天狗に攫われたってぇ!?
◆宇江佐真理/香箱を作る 深川にゃんにゃん横丁
――人生の転機。男は理屈であれこれ言い、女は勘で勝負する
◆北原亞以子/古着屋 慶次郎縁側日記
――支えあうように歩く男たちに同情した賢吾だったが……

【特集:「仕事小説」大全】
◆真山 仁/プライド
――期限切れ食材使用を暴く怪文書。老舗洋菓子会社の対応は
◆江上 剛/銀行員へ
――健が就職したのは、幼い日に父母を見捨てた「銀行」だった
◆山崎マキコ/プロペラの音が聴こえる
――パチンコメーカーの女プログラマー、三十路のリベンジ
◆小路幸也/生きること
――けど、私は編集者を辞めることにためらいはなかったんだ
◆仁木英之/羊羹比賽 『僕僕先生』待望の続編
――美少女仙人とその弟子王弁が出会った厨師師弟の信義
◆榊 邦彦/約束
――マンションの用地買収。地主の老女を口説くには

【グラビア】私の「勤め人」時代
作家になる前、こんな「お仕事」してました

【好評連載小説】
重松 清/ゼツメツ少年
熊谷達也/X橋の虹
佐々木 譲/暴雪圏
赤川次郎/天国と地獄
宮部みゆき/ソロモンの偽証
高橋克彦/鬼哭鬼九郎

【連載エッセイ】
黒柳徹子/小さいときから考えてきたこと
柴門ふみ/恋のタネ
佐藤 優/功利主義者の読書術
山田詠美/アンコ椿は熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった
太田和彦/居酒屋百名山

第十一回伊豆文学賞発表
第二十回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
第五回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

人生を読む 日常を味わう
 手帳と日記帳で有名な高橋書店で、日記を続けるコツを聞いた。答えは「一行でもいいから毎日書き続けること」。いつでも思い立った時から始めればいい。長く続けていくと、日記は自分の分身になるそうだ。
 今月の特集は「今日から日記を書くために」。かつて小説新潮の誌上を飾った名物シリーズ「作家の日記」と「読書日記」から、遠藤周作、吉行淳之介、山口瞳など錚々たる名文家の日記を十四篇精選して再録する。中野翠氏の「この日記のこの一行がすごい!」は、お勧めの日記文学から日常を切り裂く鮮烈な一行を紹介。阿川佐和子氏らによる「私の○○日記」は、食、ダイエットなどテーマ別日記の実践篇。もちろん、高橋書店突撃ルポも。さあ、日記を始めよう。いつか自分の人生と日常を読み返すために。
 小説特集は「『仕事小説』大全」。老舗洋菓子メーカー、銀行、主婦、マンション開発――仕事の数だけドラマがある。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞