ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2008年10月号

特集:官能小説クライマックス

小説新潮 2008年10月号

(毎月22日発売)

817円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/09/22

発売日 2008/09/22
JANコード 4910047011081
定価 817円(税込)

【特集:官能小説クライマックス】

【巻頭巨篇百八十枚】団 鬼六
◆往きて還らず――すみれ館綺譚
――俺が飛び立ったら、あの女はお前のものだ――特攻隊員三人の情人となった女の愛と艶戯

【スペシャル二本立て】豊島ミホ
◆スイカの秘密を知ってるメロン
――セックスと結婚以外に男の人とつながる方法はないの? けど、すべての鍵は私の中に宿っていた
◆避行
――歳月とともに、俺の欲求は無責任に膨張を重ね、いつか重くべたべたしたものへと変化してしまった

◆荒山 徹/忍びのモノグラム
――お家再興のため三人のくノ一が交わす熾烈なバトルの顛末は!
◆宮木あや子/アレからずっと
――私は良妻だ。夫も穏やかだ。唯一の問題が、夫の射精なのだ
◆鹿島田真希/冷たい月だった
――抱かれたい…恋人の禁欲宣言にはしたなく欲望を募らせる僕
◆南 綾子/橋の上の消しゴム
――バツイチで引きこもりの私。元彼とのセックスが一条の光に
◆蛭田亜紗子/祈りは冷凍庫へ
――生々しく脈動しているものは怖い。だから、私は精液を凍らせる
◆出久根達郎(評者)・山本タカト(絵師)/痛みで始まり痛みで終る
――芥川龍之介もお取り寄せ!? 禁断の中国春本『如意君伝』の性技

【新連載ミステリー】
◆北森 鴻/鏡連殺 蓮丈那智フィールドファイルIV
――邪馬台国は存在しない? 古代史最大の謎に美貌の民俗学者が挑む

【読切短篇】
◆三浦しをん/遺言
――「やっぱりあのとき死んでおけば」がきみの口癖だったよね
◆江上 剛/発覚の日
――有能な女子行員に何が? 疑いを直視することも勇気なのか
◆有栖川有栖/幻の娘
――容疑者のアリバイ証人は、古い洋館に現れる美少女の幽霊だけ

【人気時代読切】
◆北原亞以子/かぐや姫 慶次郎縁側日記
――盗みは俺の天職かもしれない。が、天女から金を盗めば罰が当る

【集中連載】
◆今野 敏/乱雲 隠蔽捜査3 最終回
――大統領暗殺を阻止し、自らの恋情を断ち切る――竜崎の結論は

【特集:「名篇再録」昭和の風俗を語ろう】

◆田中小実昌/ストリップ幕内史
――ストリップの誕生から最盛期まで立ち会った、コミさんの名調子!
◆大宅壮一/男色談義
――マスコミ界の巨人が、当時は“日陰”だった「あの世界」に潜入して見たものは
◆今 日出海×大岡昇平×戸川幸夫/世相放談
――政治から女まで、男盛りの作家三人が大放言
◆檀 一雄/東京の夜を行く
――新宿のツイスト、築地のサウナ、浅草の飲み屋。東京に、夜遊びの種は尽きまじ
◆瀬戸内寂聴×中島六兵衛/好色の美学
――「祇園の伝説」が語る、女遊びの極意
◆野坂昭如/四畳半裁判の被告席
――いつの時代も、エロはお上とのせめぎあい。国家に敢然と立ち向かった記録

【好評連載小説】
平岩弓枝/聖徳太子の密使
佐々木 譲/暴雪圏
重松 清/ゼツメツ少年
高橋克彦/鬼哭鬼九郎
西村京太郎/宮島・伝説の愛と死
宮部みゆき/ソロモンの偽証

【連載エッセイ】
嵐山光三郎/文士の舌
柴門ふみ/恋のタネ
佐藤 優/功利主義者の読書術
山田詠美/アンコ椿は熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった
太田和彦/居酒屋百名山

第七回「小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞」決定発表
第五回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

人生の瀬戸際のエロス
 団鬼六氏の父は戦争末期、海軍の特攻隊基地となった鹿屋に主計兵長として勤務した。その折の見聞を、想像とフィクションで飛翔させて書き上げたのが「往きて還らず――さくら館綺譚」。死地に赴く特攻隊員三人と次々に愛を交わす女性の運命を描く、百八十枚の巨篇である。
 この力作を巻頭に据えて、今月の特集は「官能小説クライマックス」。豊島ミホ氏のスペシャル短篇二本立て、荒山徹氏の時代エロティック伝奇初挑戦を始めとして全八編。いずれも人生の正念場にあってこそ燃え上がるエロスを見せつける。
 もう一つの特集は「昭和の風俗を語ろう」。田中小実昌氏の「ストリップ幕内史」、瀬戸内寂聴氏と中島六兵衛氏が祇園の美学としきたりを語り合う対談など、名篇再録でお送りする。
 北森鴻氏の長編新連載「鏡連殺」では、美貌の民俗学者・蓮丈那智が邪馬台国と消えた村の謎に挑む。今野敏氏の集中連載「乱雲 隠蔽捜査III」もクライマックス。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞