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特集:女性作家今昔

小説新潮 2009年3月号

(毎月22日発売)

817円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/02/21

発売日 2009/02/21
JANコード 4910047010398
定価 817円(税込)

【特集:女性作家今昔】
【インタビュー】
◆平岩弓枝/道なき道を五十年
――直木賞を受賞しても注文は来なかった…。半世紀の歩みを語る

【インタビュー】
◆有川 浩/「有川 浩」というジャンル
――エッジのきいたテーマを自在に操る希代のストーリーテラーに迫る

【トークライブ】
◆小池真理子/「無伴奏」の時代
――思い出のバロック喫茶の店主と語る、青春の日々と創作の原点

【インタビュー】
◆桐野夏生/林芙美子は何を見たのか
――南方戦線に何があったのか。私は何故、芙美子を書くのか

【再録】
◆林 芙美子 大田洋子 真杉静枝 三岸節子/「男を語る」座談会
――昭和23年、人気女流作家が、男社会の文壇をめった斬り

【読書ガイド】
◆東 えりか/戦後女性作家クロニクル
――焦土から立ち上がり、現在の隆盛に至る作家たちの道のり

【座談会】
◆角田光代×山本文緒×唯川 恵/女性作家の頭の中
――人気作家三人が真面目に語った、小説、仕事、生活のこと

【「恋のタネ」スペシャル】
◆柴門ふみ/日本は、人妻不倫をどこまで許すようになったのか
――婦女子が勝ち得た恋愛の自由をモデルケースで徹底分析

【集中連載スタート】
◆海堂 尊/マドンナ・ヴェルデ
――その行為は背徳だったのか。はたまた尊い愛だったのか……。衝撃作『ジーン・ワルツ』の背後に潜んでいた、母娘の攻防

【新連載開始】
◆貫井徳郎/灰色の虹
――狡猾な刑事が追いつめる殺人容疑者。無実の罪がまた生れるのか

【傑作読切】
◆畠中 恵/ころころろ しゃばけ
――失明した若だんなのため、仁吉は河童を探しに出かけたが……
◆坂東眞砂子/巡礼
――気分転換に札所巡り。それだけだった。あの文字を見るまでは
◆山本幸久/象を数える
――夫の父との同居は気疲れの毎日。その上、一緒にドライブなんて
◆井上荒野/艶の通夜 第三話 橋川仁史(故人)の妻、サキ子
――夫がいるあの海に行く代わりに、なぜO島に来たのだろう
◆北原亞以子/福きたる 慶次郎縁側日記
――子を生せない女と三人の子を連れた男の出会いが春の奇跡を呼ぶ

【特集:最新短編八重奏】
読切連作二話一挙掲載
◆有川 浩/キケン
――理系私大に息づく男子大学生。お馬鹿で危険な青春の実態
◆小手鞠るい/指先を朱に染めて
――二十歳の春、あの人を破壊するために、私は娼婦となった
◆唯野未歩子/無印良人
――油断、不信、配慮、情け。その全てを孕む夫婦という関係
◆朝倉かすみ/いついつまでも
――その恋愛、その将来、ひとりよがりじゃありませんか?
◆原田マハ/群青 The Color of Life
――絵が、美術館が大好きで、ようやく勝ち得た職場なのに…
◆瀧羽麻子/ミートソーススパゲティーの魔法
――愛する妻子のため料理する僕は、我慢しているのだろうか
◆乾 ルカ/残滓の名
――仕事を投げ出し海へ。だが「俺」は出社している、幸せそうに
◆井口ひろみ/桜あかり
――不意の突風に花が悲鳴を上げる時、人が見る不思議な光景

【短期集中連載】
◆蓮見圭一/永遠の女性

【連載第二回】
◆山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん

【好評連載小説】
北森 鴻/鏡連殺
重松 清/ゼツメツ少年
宮部みゆき/ソロモンの偽証
平岩弓枝/聖徳太子の密使
櫻井よしこ/母と過ごす至福の日々
黒柳徹子/小さいときから考えてきたこと

【連載エッセイ】
阿刀田 高/イソップを楽しむために
嵐山光三郎/文士の舌
佐藤 優/功利主義者の読書術
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった
太田和彦/居酒屋百名山

第二十一回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
第五回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

女性作家の時代
 もはや「女流」作家という言葉は死語になりつつあるのかもしれない。それほど女性作家の活躍が目覚しいが、この活況も一朝一夕に成ったのではない。直木賞受賞から今年ちょうど五十年になる平岩弓枝氏は言う。新人当時は、ちょっとしたパンダだった、と。昔の女性作家の作品からは悲鳴が聞えてきた、今はのびのびと気持ちよく書いていてうらやましい、とも。
 今月の特集「女性作家今昔」では、時間を軸に、この盛況を読み解いてみたいと考えた。先の平岩氏を筆頭に、有川浩氏、桐野夏生氏のインタビュー、四十年前の仙台を語る小池真理子氏のトークライブ、そして角田光代・山本文緒・唯川恵の三氏が「女性作家の頭の中」を明かす鼎談。林芙美子氏ら昭和二十三年当時の人気女性作家が「男を語る」座談会も再録した。
 小説特集は「最新短編八重奏」。有川氏の連作スタート二話一挙掲載を始めとする八編は、これぞまさしく最先端の「今」。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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