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特集:一騎当千 時代小説

小説新潮 2009年12月号

(毎月22日発売)

特別定価859円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/11/21

発売日 2009/11/21
JANコード 4910047011296
定価 特別定価859円(税込)

【特集:一騎当千 時代小説】

《蓬莱屋帳外控ふたたび! 百五十枚》
◆志水辰夫/引かれ者でござい!
──放蕩息子の身代金三百両。武田の落人部落に、大店の名代で分け入った飛脚の鶴吉だったが――。山路に川筋に展開する第二ステージ始動!

◆松井今朝子/生と死の波打ち際 銀座開化おもかげ草紙
──宗八郎、宿敵石谷蕃隆と運命の再会。人気シリーズ、堂々の最終話

◆犬飼六岐/宿無駄目吉時雨傘
──暗い長屋で兄貴の帰りを待っていたのは、玉吉だけではなかった

◆蜂谷 涼/結界
──新撰組は去り、江戸は東京に変わっても、京には忘れられない面影が

◆北原亞以子/横たわるもの(二)慶次郎縁側日記
──過去の遺恨か、別の理由か。おはん夫婦を脅やかす犯人の正体は

【大河連載、大団円迫る】
◆高橋克彦/鬼哭鬼九郎
――長きに亘る死闘の果て――愛染明王を総身に刻み、舫九郎は何処へ行く

【傑作読切】NHKドラマ新春スタート!
君たちに明日はないPART3 百五十枚
◆垣根涼介/みんなの力
――リストラ請負人・真介が対するは、職人肌の自動車整備士。効率のみを追求する会社は、彼を切ってしまうのか

【集中連載】
◆海堂 尊/マドンナ・ヴェルデ
――娘の魔手から胎児を守るため、代理母みどりが下す決断とは

【連載第二回】
◆酒井順子/徒然草REMIX
――随筆の面白さは独断と偏見にあり。兼好の○と×を見てみれば

【百四の名店、ついに踏破!】
◆太田和彦/居酒屋百名山 最終回
――掉尾を飾るのは、横浜で老姉妹が営むのれんも看板もない店

【第二回さくらんぼ文学新人賞決定発表】
〈受賞作〉熊猫の囁き/けいえん
〈選評〉唯川 恵/角田光代/小池昌代/北上次郎

【松本清張 生誕百年】
〈松本清張 最後の小説 一挙掲載三百枚〉
◆江戸綺談 甲州霊嶽党
――人気女形が身延山中に消えた。平賀源内はこの事件に甲州の金山が絡んでいると睨む……巨匠が最後まで執念を燃やした幻の時代小説、完全再録!

◆「私は書き続ける」最後の作品に込めた気魄と自負
四方田 隆(元「週刊新潮」担当編集者)
――「私には時間がない」。そう言って鬼気迫る創作意欲を見せた先生は、病床からも私に指示を出した――担当編集者が間近に見た松本清張最後の日々

【好評連載小説】
飯嶋和一/星夜航行
石田衣良/明日のマーチ
北森 鴻/鏡連殺
西村京太郎/岐阜羽島駅25時 最終回
楡 周平/虚空の冠
貫井徳郎/灰色の虹
宮部みゆき/ソロモンの偽証

櫻井よしこ/母と過ごす至福の日々

【連載エッセイ】
嵐山光三郎/文士の舌
柴門ふみ/恋のタネ
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった 最終回

第六回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

松本清張 最後の小説
 記念出版、映像化と盛り上がりを見せる「松本清張生誕百年」の今年。その掉尾を飾るべく、巨匠の絶筆となった幻の時代小説を発掘、再録する。週刊新潮1992年新年号から四カ月間連載され、著者急逝のため未完となった「江戸綺談 甲州霊嶽党」。没後に公にされた原稿も併せ、三百枚一挙掲載とした。
 女形役者失踪の謎を追う平賀源内は、さらに抜荷買いの横行する長崎へ――。氏はこの作品に最後まで執念を燃やした。入院の前日まで取材の指示を与え、病室から走り書きのメモが届いた。「時間がない」、「私は小説を書き続ける」を口癖にしていた巨星。晩年の気魄を伝える担当編集者の回想とともに、単行本・全集未収録の〈最後の小説〉は永久保存版である。
 特集は「一騎当千 時代小説」。「蓬莱屋帳外控」百五十枚の志水辰夫氏に、松井今朝子氏、犬飼六岐氏、蜂谷涼氏。またドラマ化決定、垣根涼介氏のリストラ請負人シリーズも一挙百五十枚。


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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