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リニューアル特大号

小説新潮 2010年9月号

(毎月22日発売)

943円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/08/21

発売日 2010/08/21
JANコード 4910047010909
定価 943円(税込)

【リニューアル特大号】

リニューアルと謳ってはみたが、
特に何か変わったことをするわけではない。
「小説新潮」という誌名通り、優れた読み物を紹介していく、
という基本方針はいささかも揺らがない。
むしろ、そこを強く意識した原点回帰と言うべきかもしれない。
今回は、「Mystery Seller 2010」と題し、
雑誌内雑誌の形でミステリの特集を組んだ。
取り外すことこそできないが、表紙や奥付もあり、
一冊丸々別の雑誌が入っているという趣向である。
多分に自己満足的な企画だが、
その遊び心を一緒に面白がっていただければ幸いである。
そして、雑誌ならではの楽しみを感じていただければ、
それに勝る喜びはない。

【新連載】

◆沢木耕太郎/ポーカー・フェース どこかでだれかが
──日常の狭間に顔を出す、あり得たかもしれない人生

◆小路幸也/荻窪 小助川医院
──元病院のシェアハウスで僕たちの生活が始まる

◆原田マハ/夢をみた J'ai reve
──孤高の画家・ルソーを巡る謎への禁断の扉が今開く

【グラビア新連載】

◆福田 浩・松下幸子/江戸のもてなし
──遺された記録から江戸時代の宴会を再現する

〈「江戸のもてなし」連載開始記念座談会〉
◆松下幸子 福田 浩 松井今朝子/飲み食いこそが江戸の華

【特別綴込別冊「Mystery Seller 2010」】Magazine in Magazine

◆島田荘司/進々堂世界一周──戻り橋と悲願花
──欄干に腰掛け、御手洗さんは静かに語り始めた

◆有栖川有栖/四分間では短すぎる
──アリスが聞いた謎の言葉。江神二郎はどう解く?

◆我孫子武丸/夏に消えた少女
──拉致暴行事件が続く町内で、新たな犠牲者が?!

◆アーバン・ウェイト/行方不明者
──本邦初訳! 戦慄の新星をいち早く体感せよ

◆米澤穂信/柘榴
──柘榴を食べてしまった。その意味も知らずに

【人気読切連載】
◆平 安寿子/コーヒー、もう一杯
──カフェ開業に奮闘する未紀を追い詰めたのは意外な人物だった

【連載エッセイ】
柴門ふみ/大人の恋力
酒井順子/徒然草REMIX
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負

黒柳徹子/小さいときから考えてきたこと

【12ヶ月連続 総天然色付録】しゃばけ花札

【第二十二回日本ファンタジーノベル大賞決定】

【大賞】紫野貴李/前夜の航跡(抄)
【優秀賞】石野 晶/月のさなぎ(抄)
【選評】荒俣 宏/小谷真理/椎名 誠/鈴木光司

【好評連載小説】
あさのあつこ/たまゆら
荒山 徹/蓋島伝――長宗我部元親秘録
飯嶋和一/星夜航行
池井戸 潤/鋼のアリス
石田衣良/明日のマーチ
大沢在昌/冬芽の人
今野 敏/転迷 隠蔽捜査4
佐々木 譲/警官の条件
谷村志穂/尋ね人
西村京太郎/阪神間三十六・九キロの殺人
楡 周平/虚空の冠
貫井徳郎/灰色の虹 最終回
宮部みゆき/ソロモンの偽証
山本一力/べんけい飛脚

第六回「新潮エンターテインメント大賞」最終候補作発表
第七回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
編集後記

編集長から

リニューアルという名の原点回帰
 9月号という少し中途半端な時期ではあるが、リニューアルを図ることにした。といっても、本誌でも書いた通り、特殊なことをするわけではない。小説雑誌本来の使命に立ち返り、優れた読み物の紹介に努める、という意を強くしただけである。
 ただ、見た目はガラッと変わるので、そのことを少し説明しておきたい。表紙は、今月から福岡拓氏の写真で飾らせていただくことにした。月号に合った日本の風景や風物で、一足先に来たるべき季節を感じてもらおうという意図である。表紙を見て「もうそんな季節か」と思っていただけたら、とても嬉しい。
 また、特集は「Mystery Seller」と題し、雑誌内雑誌を試みた。取り外しはできないが、表紙も奥付もあり、「別冊」が綴じ込んであるという趣向である。かつて「別冊」で出ていた「Story Seller」の姉妹編にあたる。今後も、不定期に「―― Seller」の企画は続けていくつもりなので、ご期待いただきたい。


小説新潮編集長 新井久幸

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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