ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2014年10月号

特集【名月や 時代小説 虫の声】西條奈加/植松三十里/梓澤 要/梶 よう子/天野純希/青山文平

小説新潮 2014年10月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2014/09/22

発売日 2014/09/22
JANコード 4910047011043
定価 947円(税込)

特集【名月や 時代小説 虫の声】

◆西條奈加/侘梅 善人長屋
――二人で生きてきた兄と弟。なのに唐吉が文吉に隠れてやった事とは

◆植松三十里/落ちのびよ
――落城間近の大坂城から、乳母とともに脱出した豊臣家の遺児国松は

◆梓澤 要/紅はかくこそ
――真面目な人だったのに……単身赴任中の男が都に帰れない理由とは

◆梶 よう子/文房四宝 みとや・お瑛仕入帖
――裏店の新参者は自称書家。人は悪くないが、何やら裏がありそうで

◆天野純希/義継の矜持
――所詮、わしは飾り物――周囲に流され、自嘲ばかりの義継だったが

◆青山文平/真桑瓜
――仲のよい老人の間に刃傷沙汰が。直人は理由を探るよう頼まれて

【第一回「新潮ミステリー大賞」決定発表】
――激論の選考会で大賞を射止めた受賞作。魅力溢れる冒頭を堪能あれ

【受賞作】彩藤アザミ「サナキの森(抄)」
【選評】伊坂幸太郎/貴志祐介/道尾秀介

【新連載】
◆月村了衛/カーガー
――中国がひた隠すウイグルの真実に、今、女性ジャーナリストが挑む!

◆諸田玲子/風聞草(かぜききぐさ)墓標
――二十年前の事件を知ってしまったせつ。再びの悲劇を防げるのか――

◆二階堂ふみ/只今 文筆修業中
――大活躍の女優が綴る本への恋文は、いつの間にか新しい物語を生んだ

【シリーズ対談】
◆井上荒野×江國香織/荒野と香織の映画放談
――男、女、愛、人生――。小説家二人が語る、愛すべき映画たちの魅力

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりをお薦め
〈仕事・人生〉吉田大助/〈医療・介護〉杉江松恋/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史

【好評連載小説】
阿刀田 高/男と女の学校 絵のない肖像10
飯嶋和一/翼人のかたみ
伊東 潤/死んでたまるか 最終回
江上 剛/鬼忘島 金融検査官・伊地知の密命
木内 昇/球道恋々
京極夏彦/ヒトでなし
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択Ⅴ 名前のない古道具屋の夜
杉山隆男/メイのいない五月
西村京太郎/金沢が歴史を創った日
葉室 麟/鬼神の如く 黒田叛臣伝
森 達也/チャンキ
山本一力/マックでよい

【連載エッセイ】
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
椎名 誠/じいじいのヨロコビ
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
山田詠美/時計じかけの熱血ポンちゃん

第十三回「小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞」決定発表
第二回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

新しい賞の船出
 今年から、「新潮ミステリー大賞」という新人賞が始まった。今号はその決定発表で、選評と受賞作の抄録を掲載している。かつて小社には「日本推理サスペンス大賞」「新潮ミステリー倶楽部賞」「ホラーサスペンス大賞」というミステリジャンルの新人賞があり、沢山の書き手がそこから誕生した。ところが、二〇〇五年にホラーサスペンス大賞が終了し、このジャンルの新人賞がなくなってしまった。何とか復活させ、代々続いてきた命脈を受け継ぐのが、この十年近くの悲願だった。
 選考委員は、伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介という現代を代表するエンターテインメント作家三人にお引き受けいただけた。選考会で、次々出てくる改稿案を目の当たりにし、「こんなに贅沢なアドバイスがあるのか!」と感動したのは、決して大袈裟な表現ではない。
 読者の皆さんにも、この新しい歴史が始まる高揚を、是非一緒に味わっていただきたい。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞