特集【推理小説的世界(ミステリーワールド)】北村 薫/乾 くるみ/伊与原新/深緑野分/詠坂雄二/岩下悠子/秋吉理香子/長江俊和/彩藤アザミ
小説新潮 2015年2月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2015/01/22 |
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JANコード | 4910047010251 |
定価 | 947円(税込) |
特集【推理小説的世界(ミステリーワールド)】
◆北村 薫/女生徒
――旧友と再会した私。手渡された一冊が、次の冒険への切符となって――
◆乾 くるみ/物件探偵 浅草橋5分ワンルームの謎
――想定外の事情で転居を迫られている谷。この部屋が買えれば全て解決?
◆伊与原新/標本木の恋人
――雨予報で晴天。満開予報で散り始め。最近なんでこんなに空振るの
◆深緑野分/迂闊な婦人の厄介な一日
――秘密を抱えた婦人を見舞った厄介な出来事。謎の訪問者の正体は?
◆詠坂雄二/犬ノ町
――昔々、四つ脚の獣と出会った旅人は……。不思議な伝承が語る歴史とは
◆岩下悠子/水に棲む
――撮影所の落し物に戸惑う様子の主演女優。心当たりはないと言うが
◆秋吉理香子/繚乱の鏡
――あなた様に尽くすのが私のすべて。それ以上望んではならないのです
◆長江俊和/マンションサイコ
――彼といつまでもつながりたい。妄執にとらわれた女はマンションで
◆彩藤アザミ/片翅(かたはね)の蝶
――片割れを求め死に魅入られた令嬢。女中が目にした標本邸の歪とは
【新連載】
◆高田崇史/七夕の雨闇 毒草師
――能の宗家が稽古場で変死した。最期の言葉は一体何を意味するのか?
【好評シリーズ読み切り】
◆村山由佳/サンサーラ
――死をも予感させる発作。精神的なものと医者は言うが、思い浮ぶのは
【連載第二回】
◆谷村志穂/アンクランプ
――日本では一時タブーだった臓器移植に挑む、若き医師たちの群像
◆畠中 恵/人になりたい しゃばけ
――死んでいたはずの男が消えた! 奇妙な事件が若だんなに持ち込まれ
【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介。
〈仕事・人生〉吉田大助/〈医療・介護〉杉江松恋/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈仕事・人生〉吉田大助/〈医療・介護〉杉江松恋/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
朝井まかて/眩―くらら―
飯嶋和一/翼人のかたみ
木内 昇/球道恋々
京極夏彦/ヒトでなし
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択VIII 名前のない古道具屋の夜
月村了衛/カーガー
楡 周平/ラストフロンティア
原田マハ/暗幕のゲルニカ
森 達也/チャンキ
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ
飯嶋和一/翼人のかたみ
木内 昇/球道恋々
京極夏彦/ヒトでなし
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択VIII 名前のない古道具屋の夜
月村了衛/カーガー
楡 周平/ラストフロンティア
原田マハ/暗幕のゲルニカ
森 達也/チャンキ
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ
【連載エッセイ】
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
山田詠美/時計じかけの熱血ポンちゃん
第二回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記
柴門ふみ/大人恋愛塾
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
山田詠美/時計じかけの熱血ポンちゃん
第二回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記
編集長から
世界は謎に満ちている
ミステリのジャンルで、「日常の謎」という言葉が使われるようになったのは、そんなに昔ではない。もちろん、日常生活の中に潜む謎を扱った作品はもっと前から存在するが、それが一ジャンルとして認識されたのは、この二十年くらいだろう。
普段の生活の中で、ちょっとした「?」にぶつかることは多い。大抵は単なる勘違いで、他愛のないことばかりだけれど、最初の瞬間の「なぜ?」はミステリの謎に通じるものといえるだろう。日常生活の中とは、つまり自分たちを取り巻く世界、と言い換えることもできる。
普段何気なく通り過ぎている出来事も、「なぜ」という視点で見てみれば、なんとなく「そういうものだ」と思い込んでいたことばかりだと気づく。それらを突き詰めることで、平凡な日々に、何らかの変化を起こすことが出来るかもしれない。
そう、世界は謎に満ちている。そして、今月号の「小説新潮」の特集もまた、世界に負けず劣らず謎に満ちている。
普段の生活の中で、ちょっとした「?」にぶつかることは多い。大抵は単なる勘違いで、他愛のないことばかりだけれど、最初の瞬間の「なぜ?」はミステリの謎に通じるものといえるだろう。日常生活の中とは、つまり自分たちを取り巻く世界、と言い換えることもできる。
普段何気なく通り過ぎている出来事も、「なぜ」という視点で見てみれば、なんとなく「そういうものだ」と思い込んでいたことばかりだと気づく。それらを突き詰めることで、平凡な日々に、何らかの変化を起こすことが出来るかもしれない。
そう、世界は謎に満ちている。そして、今月号の「小説新潮」の特集もまた、世界に負けず劣らず謎に満ちている。
小説新潮編集長 新井久幸
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。