ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2015年5月号

特集【男人禁制】押切もえ/遠藤彩見/田中兆子/仲村かずき/奥田亜希子

小説新潮 2015年5月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/04/22

発売日 2015/04/22
JANコード 4910047010558
定価 947円(税込)

特集【男人禁制】

◆押切もえ/ふきげんな女たちと桜色のバッグ
――文句ばかりで売れないモデルに、路代の我慢は限界に達し……

◆遠藤彩見/さじかげん
――料理下手に悩む沙代の前に現れたのは、おしとやかなマダムで

◆田中兆子/歓びのテレーズ
――今でも私をそう呼ぶ彼。たまたま回ってきた名札にあった名前だが

◆仲村かずき/アガタちゃんのこと
――冴えない中学時代を送っていた私の前に、あの人は突然現れた

◆奥田亜希子/ジャムの果て
――ふつふつとジャムを煮る。ふつふつ、ふつと家族の思い出が蘇る

【新連載】
◆角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
――40日弱の漂流の果てに、一隻の鮪漁船はフィリピンに辿り着いたが

◆柚木麻子/BUTTER
――生きづらさの出口を探し、女性記者は殺人被告人へ接見を求める

【「三匹のおっさん2」スタート記念 ドラマ連動企画】
◆有川 浩/三匹のおっさん 特別読み切り
――あの三匹が帰ってきた! 夜回り中、誰もいるはずのない場所に影が

【連載第二回】
◆伊吹有喜/カンパニー
――共に目指していたはずの頂点。しかし由衣は信頼を裏切られ……

◆三羽省吾/ヘダップ!
――JFLの武山FCに入団した勇。鮮烈デビューのはずが、口が災いし

【好評シリーズ読み切り】
◆畠中 恵/りっぱになりたい しゃばけ シリーズ最終話
――ご近所の大店へ通夜に訪れた若だんな。奇妙な相談を持ちかけられて

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介。
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子

【好評連載小説】
赤川次郎/7番街の殺人
朝井まかて/眩―くらら―
飯嶋和一/翼人のかたみ
木内 昇/球道恋々
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択XI 名前のない古道具屋の夜
高田崇史/七夕の雨闇 毒草師 最終回
谷村志穂/アンクランプ
月村了衛/カーガー
楡 周平/ラストフロンティア
原田マハ/暗幕のゲルニカ
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ

【連載エッセイ】
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル

第二八回「山本周五郎賞」候補作発表
次号予告/編集後記

編集長から

「そこは禁域か聖域か?」
「鶴の恩返し」を例に出すまでもなく、駄目と言われると、逆に気になるのが人情である。それが異性の世界なら尚更だ。
 立ち入りを禁止されている理由が、危険だからなのか、聖なる領域だからなのかは別として、そこが異性にとっての非日常であることは間違いない。
 ところが厄介なことに、それが日常と地続きに見えてしまうことがある。実際はこちらにそう見えているだけで、向こうの当事者にはまったく違った感覚や思惑が潜んでいるものなのだが、そのあたりを勘違いしたままでいると、後で痛い眼を見る。
 具体的には、今月号の特集「男人禁制」を読んでいただきたい。サブタイトルにリンカーンの言葉をもじったのは洒落ではなく、文字通り、女性作家に女性の世界を描いてもらおうという企画だ。
 そこは禁域か聖域か――。女性も男性も、心して、しかしある種の期待も抱いて、まずはそうっと足を踏み入れてみていただきたい。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞