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特集【第28回山本周五郎賞決定発表】

小説新潮 2015年7月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/06/22

発売日 2015/06/22
JANコード 4910047010756
定価 947円(税込)

特集【第28回山本周五郎賞決定発表】

【受賞のことば】柚木麻子

【選評】石田衣良/角田光代/佐々木 譲/白石一文/唯川 恵

受賞作『ナイルパーチの女子会』(抄)

【受賞記念特別エッセイ&インタビュー】
――新たな受賞者の横顔拝見。受賞を機に見えてきたものは
◆エッセイ/予期せぬ奇跡
◆インタビュー/振り切る勇気

【連載第三回】

◆柚木麻子/BUTTER
――闘うも身を任せるも、自分次第――現代の欲望を問う

【歴代受賞作家読み切り競演】

◆帚木蓬生/兵站(へいたん)病院
――昭和十八年。軍医見習士官の私はフィリピンへ向かった――

◆宇月原晴明/空華灼灼(くうげしゃくしゃく)
――一族に言い伝えられた秘密を胸に、異相の少年が闘うのは

◆恩田 陸/線路脇の家
――ホッパーの「線路脇の家」。その絵がもたらす奇妙な既視感

特集【夏の時代小説特集】

◆青山文平/蓼(たで)を喰う
――家が近所の他に接点はなし。刃傷沙汰に及んだ老旗本の遺恨とは

◆天野純希/丹波の悔恨
――織田軍に故郷を焼き払われ、老いた忍びは信長討伐を誓うが

◆梓澤 要/年下の男
――若い家持の求愛に戸惑う紀女郎。歌のやり取りは続けるものの

◆梶よう子/五弁の小花 みとや・お瑛仕入帖
――珍しくみとやに現れた菅谷。しかも何やら煮え切らない態度で……

◆辻井南青紀/縁切り騒動 結婚奉行
――父親同士の確執に業を煮やした両家の妻子。遂に打った一手とは

◆藤原緋沙子/永代橋
――あの事故から十年、娘を失くした後悔に縛られ続けるおきわだが

【追悼 白川 道さん】
三浦友和/河合 靖/有馬大樹
――無頼派と呼ばれた作家の素顔。最後を共に過ごした人々からの惜別の辞。

【新シリーズスタート】
◆桜木紫乃/こおろぎ
――嘘と、迷いと、気遣いと――。夫婦はいつから「夫婦」になるのだろう

【好評読み切りシリーズ】
◆押切もえ/しなくなった指輪と七日間
―――自ら切り出した別れを断ち切ろうと、仕事に打ち込む沙也の前に

【連載第二回】
西村京太郎/神戸より愛をこめて 神戸電鉄殺人事件
――横浜にいたはずの女優は、なぜ神戸で遺体として見つかったのか

【シリーズ対談 最終回】
◆井上荒野×江國香織/荒野と香織の映画放談
――陽気で無鉄砲、孤独で頑固。個性豊かな、映画の老人たちを語る

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介。
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子

【好評連載小説】
赤川次郎/7番街の殺人
朝井まかて/眩―くらら―
飯嶋和一/翼人のかたみ
木内 昇/球道恋々
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/ 最後の選択XIII 名前のない古道具屋の夜
谷村志穂/アンクランプ
楡 周平/ラストフロンティア
原田マハ/暗幕のゲルニカ
三羽省吾/ヘダップ!
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ

【連載エッセイ・ノンフィクション】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル

第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

選考会は「生き物」
 選考会の度に思うのは、それが「生き物」だということだ。今年の選考会も、当初の予想を越え、二時間強の激しい論戦となった。
 講評を聞く度に、自分の中の解釈が変わっていく。それは非常に貴重で濃密な経験だった。
 選考委員の皆さんも、プレーンな視点で論評に耳を傾け、時には自分の意見を変えながら、すべての作品について、長所と問題点を指摘、議論していく。
 山本周五郎賞は、選評が長いことが特徴の一つで、選考の模様は選評からも垣間見ていただくことができる。だがしかし、それは垣間見えるだけで、選考会での議論はまた別個の熱量と迫力を持っている。
 そうした激戦を制して受賞したのは、『ナイルパーチの女子会』である。柚木さん、おめでとうございます。今月号には、受賞作や、現在本誌で連載中の「BUTTER」創作の背景を知ることができるエッセイ&インタビューも掲載。選評と合わせてお楽しみいただきたい。


小説新潮編集長 新井久幸

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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