ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2015年8月号

特集【記紀怪談】小林泰三/あさのあつこ/彩瀬まる/平山夢明

小説新潮 2015年8月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/07/22

発売日 2015/07/22
JANコード 4910047010855
定価 947円(税込)

特集【記紀怪談】

◆小林泰三/イチゴンさん
――幼少期を過ごした村での恐ろしい記憶。なぜ今になって思い出したのかしら。あの祠で一体何が――

◆あさのあつこ/赤剥け兎
――愛してくれる夫と、始めたばかりの夢の教室。目の前に広がるのは、あの頃思いもしなかった幸せなのに

◆彩瀬まる/君の心臓をいだくまで
――見ないふりをして来たはずなのに、暗い、悪いものが私をみつける。現れた女がささやくのは――

◆平山夢明/舐メ達磨
――かねてより念願の仕事を師匠から命じられ、旅路を急ぐ石工。山崩れのため道が鎖されたと知り

特集【夏のエンタメ読み切り】

◆小島達矢/サイレント・ムービー
――急に消えた同居人。残されたぼくたちは、どこか不安定な日々を送るが

◆神田 茜/ミルフィーユ
――夫の浮気で心を病んだわたし。心療内科の先生は、堕天使だった…

◆水沢秋生/ラストショット
――試合終了まで1分を切った。この十数年が、コートへあふれ出した

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりのお薦めを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助/〈医療・介護〉東えりか/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史

【好評連載小説】
赤川次郎/7番街の殺人
朝井まかて/眩―くらら―
飯嶋和一/翼人のかたみ
伊吹有喜/カンパニー
逢坂 剛/鏡影劇場
木内 昇/球道恋々
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択XIV 名前のない古道具屋の夜
谷村志穂/アンクランプ
西村京太郎/神戸より愛をこめて 神戸電鉄殺人事件
楡 周平/ラストフロンティア 最終回
原田マハ/暗幕のゲルニカ 最終回
三羽省吾/ヘダップ!
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ
柚木麻子/BUTTER

【連載エッセイ・ノンフィクション】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル

第二回「新潮ミステリー大賞」候補作発表
第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

本当に「怖い」ことは何か?
 八月号は、毎年恒例の「怖い話」の特集をお届けする。
「怖い」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは何だろう。具体的な人物だろうか、それとも過去の経験だろうか。いずれにせよ、それらの恐怖には、何らかの行為が招いた結果としての理由があるはずだ。そうしたことは、大した恐怖ではない。原因が分かれば、回避の方法もある。
 しかし、因果関係の分からない出来事は怖い。降ってわいた災難という言葉があるが、避けようのないトラブルほど恐ろしいものはない。何も準備ができないからだ。
 そして、神話や伝説の類いには、こうしたある種「理不尽」な話が多い。「本当は怖い○×」というのが一時期流行ったが、その怖さはこの唐突さや理不尽さに遡ることができると思う。
 そうした神話伝承の元祖と言えるのが、「古事記」や「日本書紀」である。今月の特集は、これら記紀をモチーフに、太古の恐怖を現代に蘇らせる試みでもある。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞