特集【心地よく秘密めいた謎】 深緑野分/住野よる/詠坂雄二/芦沢 央/秋吉理香子/前川 裕/真梨幸子/乾くるみ/彩藤アザミ/一條次郎/藤崎 翔/法月綸太郎
小説新潮 2016年2月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2016/01/22 |
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JANコード | 4910047010268 |
定価 | 特別定価1,049円(税込) |
特集【心地よく秘密めいた謎】
◆深緑野分/ヒーロー基金
――晴れた日の公園に現れた変てこな老婆。平和な景色が色を変えて――
◆住野よる/か1く2し3ご4と
――みんなの胸が高鳴る修学旅行。あいつのせいでリズムが狂い始め……
◆詠坂雄二/日ノ町
――その建物は何を守り、何を隠す? 旅人は彼らの信仰の一端に触れるが
◆芦沢 央/目撃者はいなかった
――小さなミス。1枚の発注を11枚と入力したせいで、こんなことに……
◆秋吉理香子/奇術師の鏡
――傷痍軍人として帰還した栄作。浮浪児に導かれて怪しい鏡に出会い
◆前川 裕/眩惑の迷宮
――吉原の治安を守る法然刑事が潜入した先は……「ふんどしパブ」?
◆真梨幸子/トムクラブ
――あの部屋で事件が起こっているんです! 光子の元を訪れた依頼人は
◆乾くるみ/物件探偵 表参道5分1Kの謎
――定年退職後の楽しみは野球観戦だけ……趣味と実益を兼ねようと
◆彩藤アザミ/こどくの星
――隣に越してきた憧れの画家。あんな手で、本当に描けるのだろうか
◆一條次郎/採って穫って盗りまくれ
――わたしは熊だ。いや、熊の着ぐるみ姿の探偵だ。もちろん仕事はない
◆藤崎 翔/はじめてのおかいもの
――あの大人気番組に出演した仲良し兄弟。それが、何故こんなことに!?
◆法月綸太郎/挑戦者たち 4
――襲い来る「読者への挑戦」。恐れるな、必要な情報は示されている
【新連載スタート】
◆朝香 式/パンゲア5
――あの頃、全ては完璧だった。世界の調和を取り戻すため、必要なのは
◆高杉 良/小説・めぐみ園の夏
――天国のような所――。十二歳の少年が、伯母に連れられ向かった先は
◆畠中 恵/おおあたり しゃばけ
――栄吉が作った新作お菓子。その味が妖から許嫁、京の男も巻き込んで
【連載第二回】
◆相場英雄/不発弾
――老舗電機メーカーの大不祥事。小堀はその裏の謀略に目をつけるが
◆山本文緒/自転しながら公転する
――東京で自分の大好きなブランドの社員だった都が、牛久に戻った訳
◆西きょうじ/そもそも
――人間だけのもの? それとも動物も? 共感する力とは何だろう
【追悼 野坂昭如さん】
◆長部日出雄/野坂昭如という巨大な劇(ドラマ)
――「作家」という言葉だけでは語り尽くせない、不世出の才を悼む
【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりのお薦めを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈仕事・人生〉吉田大助/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
赤川次郎/7番街の殺人
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6 最終回
西條奈加/八人のゴメス
谷村志穂/アンクランプ
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
増田俊也/北海タイムス物語
三羽省吾/ヘダップ! 最終回
山本一力/カズサビーチ ようそろ
柚木麻子/BUTTER
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6 最終回
西條奈加/八人のゴメス
谷村志穂/アンクランプ
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
増田俊也/北海タイムス物語
三羽省吾/ヘダップ! 最終回
山本一力/カズサビーチ ようそろ
柚木麻子/BUTTER
【連載エッセイ・ノンフィクション】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
黒田龍之助/物語を忘れた外国語
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記
黒田龍之助/物語を忘れた外国語
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記
編集長から
好敵手あればこそ
電脳戦を見ていると、最強のAIは既にプロ上位レベルなのだと驚愕するが、ちょっと前までは、アマチュア上級レベルが精一杯だった。近年、目に見えてAIが強くなってきたのは、PCの処理能力が上がったことと、プログラム技術の進歩だろう。優れた開発者がこぞって参加し、新しいアルゴリズムで切磋琢磨し合ったことで、あっという間にレベルが上がったように感じられる。何事も、好敵手に恵まれると、一気に格段の進歩を遂げるということか。
ミステリの世界もそうだ。作中の犯罪者と探偵の関係は言うに及ばず、著者と読者の関係も、それに近いものがあるのではないか。読者の目が肥えて、「もっと面白いものを」「もっと驚きを」という声が高まれば高まるほど、それに応える作品が登場する、そんないい意味でのスパイラルがあるように感じる。
「小説新潮」も、皆様からの叱咤激励で進化していきたいと思っている。ご意見ご感想をお待ちしております。
ミステリの世界もそうだ。作中の犯罪者と探偵の関係は言うに及ばず、著者と読者の関係も、それに近いものがあるのではないか。読者の目が肥えて、「もっと面白いものを」「もっと驚きを」という声が高まれば高まるほど、それに応える作品が登場する、そんないい意味でのスパイラルがあるように感じる。
「小説新潮」も、皆様からの叱咤激励で進化していきたいと思っている。ご意見ご感想をお待ちしております。
小説新潮編集長 新井久幸
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。